ROEとは何か分かりやすく教えて?目安や注意点はある?
ROEという言葉を見たり聞いたりしたことがあるでしょうか。まず読み方ですが、そのまま「アールオーイー」と読みます。
「ROE」はある株に投資をするべきかどうかの判断材料として役立つ指標です。株式投資をする上で知っておくべき用語です。
今回はそんなROEについて詳しく解説します。
ROEとは?
ROE(Return On Equity)とは、株主が投資した資金で、企業がどれくらいの利益を上げているのかを示す指標になります。別名、「株主資本利益率」とも呼ばれています。
つまり、ROEが高ければ高いほど、その企業は集めた資金で、効率よく利益を上げられていると言えます。
ROEの計算式
ROEは、以下の計算式で求めることが出来ます。
ROE「株主資本利益率(%)」 = 当期純利益 / 株主資本 × 100
ではここで問題です。
当期純利益が「100万円」を上げている企業「A社」「B社」があるとしましょう。
そして、
A社の株主資本は、「2,000万円」
B社の株主資本は、「1,000万円」
だったとします。
この場合、どちらの企業の方が優秀だと言えるでしょうか???
今回のケースでは、以下のようにして各社のROEを算出することが出来ます。
【A社】当期純利益「100万円」 / 株主資本「2,000万円」 × 100 = 5%
【B社】当期純利益「100万円」 / 株主資本「1,000万円」 × 100 = 10%
当期純利益はA社もB社も「100万円」ですが、「B社」の方が少ない株主資本で利益を上げているため効率的に株主資本を活用していると言えますね。
つまり正解は
「B社」の方が優秀だということです。
ROEの平均・目安はどれくらい?
日本企業のROEの平均はおよそ5%程度であり、業種によって異なるので一概には言えませんが、一般的に10%以上あれば優良企業だと言われています。
ただ、自社株を多く保有している企業や資産の少ない企業は、ROEが高くなる傾向にありますので、ROEだけを投資判断の材料にしないようにしましょう。
もちろん、ROEが低いからといって投資する価値のない企業だと判断することも出来ません。あくまでも目安だと認識しておきましょう。
ROEのランキングはどこで確認できる?
ROEのランキングは、Yahoo!ファイナンスなどの銘柄情報サイトや、各証券口座などで確認することが出来ます。
【ROEランキングが確認できる銘柄情報サイト例】
・Yahoo!ファイナンス ROE:株式ランキング
・株探 今期【高ROE】ベスト100
・みんなの株式(みんかぶ) ROEランキング
高ROE銘柄への投資は魅力的?
ROEが高いほど効率的に利益を得ることが出来、将来期待できる利益の額も大きくなります。
そのため、多くの投資家から高ROE銘柄へ注目が集まるようになっています。
特に、海外投資家はROEを重視している傾向にあります。日本市場は、海外投資家が多くを占めているということもあり、多くの資金が集まりやすいので、高ROE銘柄は株価が上昇しやすいと言えます。
ROEを投資判断に用いる際には、下記で紹介するように注意点はありますが、高ROE銘柄へ投資をすることは非常に魅力的だと言うことが出来ます。
ROEの注意点
ROEが高い企業は、収益性や成長性が期待できますし、株主への利益還元も期待できます。
しかし、ROEを投資判断に用いる際には注意しなければならない点があります。
それは、ROEが高いというだけでは、優良企業だと判断することは出来ないということです。
なぜならROEは意図的に高くすることが出来るからです。
では、企業はどのようにしてROEを高くすることが出来るのか、その例を紹介します。
負債を増やしてROEを高くする
ROEは純利益を増やせば高くなります。そのため、仮に借金をして事業を拡大して純利益を増やしたとしても、ROEは上昇します。
会社の総資産には「自己資本」と「他人資本(借入金)」があります。
つまり、自己資本は変わっていないのに、借金をすることで会社の総資産を増やし(自己資本+負債)、事業を拡大して純利益を増やし、ROEを上昇させるのです。これを「財務レバレッジ」を効かせると言います。
負債の多い企業はROEが高くなりやすいので注意しましょう。負債の多い企業は当然安定性に欠け、リスクが非常に高まりますので、自己資本比率は必ずチェックする必要があります。
自社株買いでROEを高くする
自社株買いをすることでもROEを高くすることが出来ます。
自社株買いとは、企業が自社の株式を市場から買い戻すことを言います。
自社株買いをすると、株主資本が減少するので簡単にROEを高くすることが出来てしまうのです。
ROEだけを投資判断にしないことが大事!
ROEが高ければ高いほど、その企業は集めた資金で、効率よく利益を上げていると言えます。
しかし、ROEも決して万能ではありません。ROEが高くても、負債が多く財務体質の悪い企業もあります。
単純にROEが高いからといって良い企業だと言い切ることはできません。ROEだけで投資判断をしてしまうのは非常に危険です。
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