浮動株とは?浮動株比率が高い・低いとどうなる?

浮動株とは?浮動株比率が高い・低いとどうなる?

浮動株とは、市場に流通し日々売買されている株式のことを言います。

この浮動株が発行済み株式総数に占める割合を、浮動株比率と言います。

当記事では浮動株とはなにか、浮動株比率が高い・低いとどのような影響があるのか等、初心者にも分かりやすく解説します。

浮動株とは

浮動株とは、発行済みの株式のうち、市場に流通し一般の投資家などが日々売買する株式のことを言います。

一方、企業の創業家や役員などの大株主が保有していて、市場で流通や売買がされにくい株式のことを、固定株と言います。

浮動株数は、上場株式数から固定株数を差し引くことで算出することができます。浮動株数が多いと、市場に出回る量が多いので、流動性が高くスムーズに売買しやすくなります。

浮動株比率について

浮動株比率とは、浮動株が発行済み株式総数に占める割合のことを言います。

つまり、市場に流通し、売買される株式がどのくらいあるかを表しており、企業によってその比率は異なります。

後の章にて詳しく解説しますが、浮動株比率が高いか低いかによって様々な影響を与える可能性があります。

浮動株の定義ははっきりとは決まっていない?

浮動株について解説しましたが、実は浮動株や固定株の定義は厳密に決まっているわけではありません。

会社四季報と東京証券取引所が浮動株について発表していますが、その定義がそれぞれ異なっています。

浮動株比率の算出方法も下記のようにそれぞれ異なっています。

会社四季報オンラインでは、1単元以上50単元未満の株主の株式保有数持株の合計を浮動株と見なして比率を算出しています。この算出基準は、各証券取引所の基準とは異なりますのでご注意ください。

※四季報オンラインから引用

1 「浮動株」とは何か。 「浮動株」とは、「各企業の上場株式のうち、実際に売買される可能性の高い株式(上場株式から固定株を控除したもの)」
をいいます。
2 浮動株式数の計算方法を教えてほしい。
浮動株式数は、原則として以下の算式で算出します。
浮動株式数 = 上場株式数-(大株主上位10位までの株式数+役員保有株式数+自己株式数+他の上場会社等が保有する当該上場会社の株式(政策保有株))

※日本取引所グループから引用

ここで、より実態に近いのはどちらなのかということですが、どちらもメリット・デメリットがあるので、一概にどちらの方が実態に即しているとは言い切れません。つまり、それだけ浮動株数を正確に知ることは非常に困難であるということです。

浮動株比率の調べ方は?

浮動株比率の調べ方は、「会社四季報が公表している浮動株比率を見る方法」「東京証券取引所が公表している数値を使用して計算する方法」がありますが、会社四季報が公表している浮動株比率を見る方法がもっとも簡単なので、基本的にはこちらを使うといいでしょう。

会社四季報の情報はSBI証券や楽天証券の口座を持っていれば無料で見ることができます。それぞれの浮動株比率を調べる手順を紹介します。

◆SBI証券の場合

SBI証券のページを開き、ログインします。
浮動株比率の調べ方(SBI証券)

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画面上部の株価検索の検索フォームに、銘柄コードまたは銘柄名(※例 【7974】または【任天堂】)を入力し、「株価検索」ボタンをクリックします。
浮動株比率の調べ方(SBI証券)

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銘柄の個別ページが開きますので、画面中央の「四季報」タブをクリックします。
浮動株比率の調べ方(SBI証券)

↓↓↓

会社四季報の内容が表示されますので、画面下の「浮動株」と書かれた部分をチェックしましょう。この数値が浮動株比率です。
浮動株比率の調べ方(SBI証券)

◆楽天証券の場合

楽天証券のページを開き、ログインします。
浮動株比率の調べ方(楽天証券)

↓↓↓

画面上部の株価検索の検索フォームに、銘柄コードまたは銘柄名(※例 【7974】または【任天堂】)を入力し、虫眼鏡アイコンをクリックします。
浮動株比率の調べ方(楽天証券)

↓↓↓

銘柄の個別ページが開きますので、画面中央の「四季報」タブをクリックします。
浮動株比率の調べ方(楽天証券)

↓↓↓

会社四季報の内容が表示されますので、画面下の「株主・役員構成」の「浮動株」と書かれた部分をチェックしましょう。この数値が浮動株比率です。
浮動株比率の調べ方(楽天証券)

このように、各証券会社が提供する会社四季報情報を確認すれば、わざわざ自分で計算する手間もなく、簡単に浮動株比率を調べることができます。口座を開設していれば誰でも無料で使えるものなので、まだSBI証券楽天証券の口座を持っていないという方は、この機会に口座開設しておくといいでしょう。もちろん口座開設も無料でできます。

浮動株比率が高い・低いとどうなる?

浮動株比率が高かったり低かったりすると、どのような影響があるのでしょうか。

浮動株比率が高い場合

浮動株比率が高い場合、市場に流通している株式数が多いため流動性が高く、売買がしやすくなります。

株を買いたい、売りたいと考える投資家が多く、スムーズに売買が行われるため株価は変動しやすいですが、値動きは緩やかになる傾向にあります。

浮動株比率が低い場合

浮動株比率が低い場合、市場に流通している株式数が少ないため流動性が低く、売買が行われにくくなります。

株を買いたい、売りたいと考える投資家が少なく、スムーズに売買が行わないため、株価は変動しにくく、希望の価格でなかなか売買ができないといったことになりやすいです。

流通している株式数が少ないので、値動きは少量の売買でも大きく変動する可能性があります。少し買い注文が増えただけで株価は大きく上昇しやすく、反対に少し売り注文が増えただけで株価は大きく下落しやすくなります。

浮動株比率を活用した投資戦略

浮動株比率が高い銘柄はスムーズに売買ができる傾向にあるため、買いたい時に買えなかったり、売りたい時に売れないといったリスクは小さいと言えます。ただし、値動きは比較的安定傾向にあり、大きな値動きを期待することは難しくなります。

一方、浮動株比率が小さい銘柄は、株価が急騰する可能性がありますが、反対に株価が急落するリスクもあります。また、買いたい時に買えなかったり、売りたい時に売れなくなったりするリスクもあります。

どちらにもメリット・デメリットがあるので、どのような投資をしたいのかによって判断する必要があります。

ただ、浮動株比率だけを見るのではなく、企業の事業内容や健全性、割安性などその他の指標を組み合わせて投資判断をすることが大切です。

※補足

浮動株比率が高いと売買しやすいと説明をしましたが、浮動株比率が高くても発行済株式数が少ないと、浮動株数が少ないので注意が必要です。

例えばA社とB社ともに浮動株比率が「30%」だったとしても、A社の発行済株式数が「1,000株」で、B社の発行済株式数が「100株」とした場合、浮動株数はそれぞれ下記のようになります。

A社の浮動株数 : 発行済株式数1,000株 × 浮動株比率20% = 200株
B社の浮動株数 : 発行済株式数 100株 × 浮動株比率20% = 20株

このように、浮動株比率が同じでも発行済株式数が違うと、浮動株数が変わってしまいます。そのため、浮動株比率を確認する際は、発行済株式数も確認しておくといいでしょう。

まとめ

浮動株とは、市場に流通していて投資家が売買することができる株式のことです。

浮動株比率が高いとスムーズに売買することができ、浮動株比率が小さいと売買数が少し増えるだけで価格変動が大きくなります。

つまり、浮動株比率が小さい銘柄は比較的投資リスクが高いと言えます。浮動株比率が高い銘柄は取引がしやすいですが、もちろんリスクが無いわけではありません。

浮動株比率だけに注目するのではなく、必ず他のファンダメンタルズやテクニカルなどの指標と組み合わせて投資判断をするようにしてください。

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