指値注文とは?特徴や使い方・注意点など
指値注文は、売買をする上での基本の注文方法の一つですので、しっかり覚えておきましょう。
指値注文は売買をする時に、「○○円で買いたい」「○○円で売りたい」と、価格を指定して注文を出す方法です。
自分の指定した価格で取引が成立するというメリットがありますが、注意しなければならない点もあります。
ここでは指値注文とはどんな注文方法なのか、その特徴や使い方など分かりやすく解説します。
指値注文とは
指値注文とは、売買をする時に、価格を指定して注文を出す注文方法のことを言います。
例えば、「A株式を1,200円で100株買いたい」「B株式を2,500円で100株売りたい」といった注文の方法になります。
売買が成立するタイミングは、
買い注文の時は「指定した価格以下」の時、売り注文の時は「指定した価格以上」の時となります。
指定した価格に達しない限り、取引が成立することはありません。
例えば、現在株価が「100円」の株式があり、この時、「90円」の買い指値注文を出したとします。
すると、すぐに取引が成立するわけではなく、株価が90円まで下がった時点で取引が成立します。
そして見事取引が成立し、その後、「120円」の売り指値注文を出したとします。
すると今度は、株価が120円まで上がった時点で取引が成立します。
成行注文との違い
基本の注文方法には、指値注文とは別に「成行注文」があります。
指値注文と成行注文は何が違うのかと言うと、成行注文は、価格を指定せずに注文を出す方法になります。
価格を指定しないので、すぐに取引を成立させることが出来るというメリットがあります。
成行注文を出すと、その時に一番有利な価格で取引が成立できる相手と取引をすることになります。
つまり、成行の買い注文を出した時は、その時に一番低い価格で売り注文を出していた人と売買が成立し、成行の売り注文を出した時は、その時に一番高い価格で買い注文を出していた人と売買が成立します。
指値注文と成行注文の違いをまとめると、
指値注文は、売買する価格を優先する注文方法(指定した価格で売買したい)
成行注文は、売買するスピードを優先する注文方法(今すぐ売買したい ※現在の株価で取引が成立するとは限らない)
となります。
指値注文のメリット
指値注文のメリットは、「自分で売買する価格を決めることが出来る」ことです。
先ほど紹介した成行注文では、株価を指定しないスピード優先の注文方法なので、想定していたよりも不利な価格で売買が成立してしまうことがあります。一気に株価が動くような場面では、かなり不利な価格で約定してしまう場合もあります。
しかし、指値注文であれば、指定した価格にならなければ取引が成立することがないので、指定した価格よりも不利な価格で売買が成立してしまうということがありません。
また、「事前に注文を出しておける」というのも大きなメリットでしょう。
わざわざ希望の株価になるまでチャートを睨めっこしている必要もなく、一度指値注文を出しておけば、希望の株価になるまでの間、チャートを見続ける必要がありません。
そのため、指値注文はサラリーマンなどの常にチャートを見ることが出来ない人の強い味方になります。
指値注文は期間を設定できる
指値注文は、指定した価格にならない限り取引が成立しないので、取引成立までに時間がかかりやすいです。
そのため、指値注文はいつまで注文を出し続けるか期間を設定できるようになっています。期間の設定方法は「本日中」「今週中」「期間指定:○月△日まで」など、様々です。
指定した期間内に注文が成立しなかった場合は、その注文は失効(取消)されます。注文が失効された場合は、再度注文を出し直す必要があります。
また、指値注文をしている期間中は取引が成立しない限り、注文の訂正(価格・株数の変更)や取消を行うことも可能です。
指値注文のデメリット・注意点
指値注文は、指定した価格にならないと取引が成立しません。
そのため、いつまでたっても取引が成立しない可能性があります。それがデメリットとなります。
例えば、今後株価の上昇が見込める優良な銘柄を見つけたとします。
その銘柄の現在の株価は「100円」だとしましょう。その銘柄が「95円」まで下がったら買いたいと思い、95円の買い指値注文を出しました。
しかし、株価は下がることなくグングン上昇し「200円」になったとします。
するとどうでしょう、いつまでたってもその株は購入できず、せっかくの儲けるチャンスを棒に振るってしまったことになります。
ただ今回のケースでは損をしたわけではありません。無理に高値で購入して損失を出してしまうよりかは、良かったと捉えることも出来るので、一概にデメリットと言えない面もあります。
実際に株取引を行うと、このようなケースは何度も経験することになります。「いくらで購入・売却するか」という判断が株取引の最も難しいところであり、醍醐味でもあります。
【応用編】逆指値注文も覚えよう
逆指値注文とは、その名の通り指値注文と全く逆の注文方法となります。
指値注文は、指定した価格よりも「安く」なれば『購入』、指定した価格よりも「高く」なれば『売却』、と言った注文方法でしたが、
逆指値注文は、指定した価格よりも「安く」なれば『売却』、指定した価格よりも「高く」なれば『購入』、と言った注文方法になります。
逆指値注文を上手く活用することで、リスクを最小限に抑えることができたり、一定の利益を確保することができます。
逆指値注文はこんな時に使える
リスクを最小限に抑えたい「売り」
売りの逆指値注文を出すことでリスクを最小限に抑えることが出来ます。
例えば、株価が「100円」の時に購入した株式を保有しており、その株式に「90円」の売り逆指値注文を出したとします。
すると、株価が下がり「90円以下」になったタイミングで自動で注文が発動し取引が成立します。
その後、株価が大暴落し、株価が「50円」まで下がってしまったとしたらどうでしょう。
逆指値注文をしていなければ、損失は「100円 - 50円 = 50円」と大きくなってしまいましたが、
売り逆指値注文が発動したおかげで、損失を「100円 - 90円 = 10円」となり、損失を最小限に抑えることが出来たことになります。
利益を確保したい「売り」
売りの逆指値注文を出すことで一定の利益を確保することが出来ます。
例えば、株価が「100円」の時に購入した株式を保有しており、現在株価は「150円」に値上がりしている状態だとします。
つまり含み益が出ている状態と言えます。
今すぐ売却しても利益を得ることは出来るのですが、まだまだ上昇する見込みがあるので、すぐには売りたくないといった場合もあります。
そんな時、その株式に「140円」の売り逆指値注文を出したとします。
すると、もしその後株価が大暴落して株価が最初に購入した「100円」を下回ってしまったとしても、「140円以下」になったタイミングで注文が発動されますので、一定の利益を確保することが出来ます。
反対に、株価が下がらずにそのまま上昇すれば注文は発動されないので、含み益がどんどん増えていくことになります。
上昇トレンドを逃したくない「買い」
買いの逆指値注文を出すことで上昇トレンドを追った購入をすることが出来ます。
例えば、ここ数カ月の間、株価が「80円~120円」で推移している株式があったとします。
この株式に対し「130円」の買い逆指値注文を出すのです。
これは、直近のこれまでの高値を超えると、新たな上昇トレンドが発生するサインと捉える手法であり、「上抜け買い」とも呼ばれます。
コメントフォーム