PBR(株価純資産倍率)とは?割安・割高の目安になる?

PBR(株価純資産倍率)とは?割安・割高の目安になる?

株式投資で利益を得るためには、株をできるだけ安く買って、できるだけ高く売る必要があります。

ただ、それは分かってはいても、現実ではなかなか上手くいかないものです。

なぜなら、株価が最も安い時なんて誰も分からないからです。今が最安値だと思っていても、明日もっと下がるかもしれませんし、明後日にはさらに下がるかもしれません。

そこで、株価が割安かどうかを判断するための指標として役立つのが「PBR」です。

PBRとは

PBR(price book-value ratio)とは「株価純資産倍率」という意味であり、株価が『1株当たり純資産』の何倍になっているかを測る指標です。つまり、株価が割安なのか割高なのかを判断するための指標であり、PBRが低い方が割安だと判断されます。

1株当たり純資産というのは、会社が解散した場合に株主に配分される1株あたりの資産金額のことを言います。

PBRが「1倍」だとすると、株価と1株当たり純資産は同額だと判断されます。そしてPBRが1倍よりも小さくなると、株価が下がり過ぎであり、割安であると判断されるのです。

PBRを求める計算式

PBRは株価が「1株当たり純資産」の何倍になっているのかを測る指標であるため、下記計算式で求めることができます。

◆PBRの計算式
PBR(株価純資産倍率) = 株価 / 1株あたり純資産(BPS)

なお、1株あたり純資産(BPS)については、下記計算式で求めることができます。

◆1株あたり純資産(BPS)の計算式
1株あたり純資産(BPS) = 株主資本 / 発行済株式数

計算式は覚える必要は無い!

PBRを求める計算式は、わざわざ覚える必要はありません。

PBRは、Yahoo!ファイナンスなどの株式情報サイトの銘柄情報ページや、各証券口座の銘柄詳細ページなどで簡単に確認することが可能です。

割安・割高の目安は?

PBRがいくつであれば割安・割高であると判断できるのでしょうか。

PBRが「1倍」であれば、株価と1株当たり純資産が同額であるため、適切な株価水準だと判断することが出来ます。

そして、PBRが1倍よりも小さくなると、株価の方が1株当たり純資産よりも安いということになり、株価が割安であると判断することが出来ます。

反対に、PBRが1倍よりも大きくなると、株価の方が1株当たり純資産よりも高いということになり、株価が割高であると判断することが出来ます。

ただし、後に説明するようにPBRが低いというだけで割安で買い時だと判断することは出来ないので、注意が必要になってきます。

PBRが低ければ良いというわけではない!

PBRが低い銘柄は、株価が割安だと判断できると述べてきましたが、PBRが低いというだけでは、必ずしも割安で買い時だと判断することは出来ません。

例えば、業績の悪い赤字だらけの企業や、今後成長の見込めない企業などは、いくらPBRが低くても今後さらに株価が下落していく可能性は十分あり得ます。

反対に、業績好調な優良企業が株式市場全体が暴落するような局面で、業績とは関係なく売りが集中し、一時的に株価が下がってPBRも低くなっているような場面では、絶好の買いチャンスであると言えます。

このようにPBRが低くなる理由は一つではないため、PBRが低い銘柄は必ずしも買いだと判断することは出来ないのです。

なぜPBRが低くなっているのか、その理由についてもしっかり考えるようにしましょう。

PBRの平均は業種ごとによって違う

PBRの平均は業種(銀行・食品・医薬品・石油・精密機器など)ごとによって違います。

そのため、PBRが低いのか高いのかを比べる際には、同じ業種の銘柄同士で比べる必要があります。

また、業種以外にも、会社の規模や成長性によっても異なってきます。

一般的に、マザーズ株のように今後急速に成長していくことが見込まれる会社は平均PBRが高く、東証一部のように今後の成長性はあまり見込めないがすでに規模の大きな安定した会社は平均PBRは低い傾向があります。

PERとPBRとの違いは?

PBRの他にも、株価が割安か割高かを判断するための指標として「PER(株価収益率)」が用いられることがあります。

では、このPERとPBRの違いはなんでしょうか。

どちらも株価が割安か割高かを判断するための指標ではあるのですが、何を基準に割安か割高なのかを判断しているのかが違います。

PBRは、すでに解説した通り、資産を基準にして判断しています。

ではPERはと言うと、「利益」を基準にして判断しており、株価を1株あたりの利益で割ることで求めることができます。

◆PERの計算式
PER(株価収益率) = 株価 / 1株あたりの利益(EPS)

なお、1株あたりの利益(EPS)については、下記計算式で求めることができます。

◆1株あたりの利益(EPS)の計算式
1株あたりの利益(EPS) = 純利益 / 発行済株式数

※PERについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ご参照ください。

まとめ:PBRだけを見て投資をしないこと!

PBRは、株価が割安かどうかを判断するための指標として役に立ちます。しかし、PBRだけを見て投資をしないようにしましょう!

PBRが低くても悪い銘柄はありますし、PBRが高くても良い銘柄はあります。

PBRが低いからといって安易に飛びつくのではなく、しっかりとその企業の財務分析をして、業績や成長性に問題が無いと判断できた場合のみ購入するようにしましょう。

また、PBRが高いからといってダメな銘柄というわけでもなく、成長が見込まれる人気の銘柄はPBRが高い傾向にありますので、業績や成長性に問題が無ければ、たとえPBRが高くても「買い」と判断することが出来るのです。

PBRに限ったことではないですが、PBRはあくまでも購入するかどうか検討する上での一つの材料に過ぎないということをしっかりと覚えておくようにしましょう。

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