板の見方の基本を徹底解説!株価の動きを読む力を身に付けよう

板の見方の基本を徹底解説!株価の動きを読む力を身に付けよう

板を見て株価の動きを読む力を身に付けることは、株取引をする上で必須だと言えるでしょう。

売買のタイミングは、チャートを見て判断している人が多いと思いますが、板情報も売買タイミングを計る上で非常に重要になってきます。

そこで今回は、板の見方の基本を初心者向けに徹底解説していきます。

板とは

板とは、各銘柄ごとの売り買いの注文状況をリアルタイムで表示されるものになります。

板は各証券会社の各銘柄の売買画面や取引ツールで見ることが出来ます。

株板

上記画像が板であり、左側が「売りの注文量」、真ん中が「注文価格」、右側が「買いの注文量」を表しています。

株の売買が成立する仕組みのおさらい

まず、株の売買が成立する仕組みをおさらいしておきましょう。

株の売買は、「1株100円で売りたい!」という人と、「1株100円で買いたい!」という人がマッチングして、売買が成立するというのが基本になります。

もし、「1株100円で売りたいという人と、「1株90円なら買いたい!」という人の場合、売買は不成立となります。

つまり、売買が成立するのは需要と供給が一致した時ということです。

この需要と供給の状況を板情報から見ることが出来るのです。

板の見方

※現在の株価1,000円

売数量 価格 買数量
200 1,020
300 1,010
100 1,005
990 200
985 100
970 300

このような板の場合、

「1,020円」の「売り指値注文」が「200株」、「1,010円」の「売り指値注文」が「300株」、「1,005円」の「売り指値注文」が「100株」

そして

「990円」の「買い指値注文」が「200株」、「985円」の「買い指値注文」が「100株」、「970円」の「買い指値注文」が「300株」

という状況だと判断することが出来ます。(※成行注文は板には表示されません。成行注文は注文と同時に取引が成立する為です。)

この時に、

「1,005円」で「100株」の「買い指値注文」が入れば、「1,005円」で取引が成立します。同じく、「100株」の「買い成行注文」でも、「1,005円」で取引が成立します。

「990円」で「100株」の「売り指値注文」が入れば、「990円」で取引が成立します。同じく、「100株」の「売り成行注文」でも、「990円」で取引が成立します。

取引が成立すると、その情報は板から消え、それ以外の情報が残ることになります。

こんなマークが出てくることも

板にはその時の状況に応じて色々なマークが出てきます。

特とは、「特別気配」のことを意味しています。

買い注文か、売り注文のどちらか片方に大量の注文が発生した場合、すぐに売買を成立させずに、その大量の注文に対する買いまたは売りが出てくるまで保留されます。

一定時間経過後もこの大量の注文に対応する買いまたは売りがない場合は、気配が繰り下げ、または繰り上げていきます。

注とは、直前に成立した価格から一定以上離れた価格で注文が出た時に、一時的に取引を中断させて注意喚起をするものになります。

例えば、「1,000円」の売り注文が入って、取引が成立したとしましょう。

その次に「1,500円」の売り注文が入ったとします。

もし、この時に買いの成行注文をすると、「1,500円」で取引が成立し、一気に株価が上がることになります。

それを防ぐために、「1,000円」の売り注文に近い価格での売り注文が出るまで、一時的に取引を中断させます。

これは、よほど注文数の少ない銘柄でしか見ることが出来ないので、基本お目にかかることはないと思ってもいいでしょう。

S

Sとは、「ストップ高」または「ストップ安」になった時に出てきます。

株取引においては、異常なほどの暴騰や暴落を防ぐために、1日に変動出来る株価の上下幅が制限されています。

ストップ高は値幅制限いっぱいまで株価が上がった状態で、ストップ安は値幅制限いっぱいまで株価が下がった状態になります。

板を見れば「買いたい人」「売りたい人」どちらが多いか分かる

板を見れば、「買いたい人」「売りたい人」どちらが多いのか大体分かります。

基本的に株価は、買いたい人が多ければ株価が上がり、売りたい人が多ければ株価が下がりやすくなります。

つまり、板を見ることで、この先株価がどのように動いていくのかをある程度予測することが出来るということになります。

「板が厚い」「板が薄い」ってどういう意味?

「板が厚い」とか、「板が薄い」とか言うことが良くあります。

厚いとか薄いってどういう意味?と思う方もいるかもしれませんが、

「板が厚い」とは、たくさんの注文が入っている板のことを言い、反対に「板が薄い」は、注文がほとんど入っていない板のことを言います。

板が薄い時の「成行注文」は要注意

板が薄い時の「成行注文」は注意が必要だということを覚えておきましょう。

※現在の株価1,000円

売数量 価格 買数量
3 1,180
1 1,100
2 1,010
990 2
920 1
890 3

例えば、上記の板があったとします。

売り注文は「1,010円」の次は「1,100円」、その次は「1,180円」と、スカスカの状態で、買い注文も同様にスカスカです。

つまり、「板が薄い」状態だと言えます。

この時に6株の成行注文買いを行ったら以下のようになります。

(1,010円 × 2株 + 1,100円 × 1株 + 1,180円 × 3株) ÷ 6 = 1,110円

となり、現在の株価は「1,000円」なのにも関わらず、平均取得単価は「1,110円」となり、現在の株価よりもかなり高い価格で取引が成立してしまうことになります。

このように板が薄い状態で成行注文をしてしまうと、予想以上に高い価格で買い注文が成立してしまったり、予想以上に安い価格で売り注文が成立してしまう危険性があります。

板が厚い状態での「成行注文」は有効

板が厚い状態であれば、「成行注文」は有効です。

※現在の株価1,000円

売数量 価格 買数量
380,000 1,002
150,000 1,001
200,000 1,000
999 160,000
998 230,000
997 210,000

例えば、上記の板があったとします。

「1,000円」の売り注文は「200,000株」、さらに1円刻みで「1,001円」の売り注文が「150,000株」、また1円刻みで「1,002円」の売り注文が「380,000株」と、大量に入っています。買い注文も同様に大量に入っています。

つまり、「板が厚い」状態です。

この時に「1,000円」で「500株」売りたいとしましょう。

すでに「1,000円」の売り注文が「200,000株」入っているので、「1,000円」の指値注文をしても、この「200,000株」が全て売れた後に注文が発動することになります。

つまり、その日の出来高や銘柄にもよるので一概には言えませんが、板が厚い状態での指値注文は、なかなか成立しにくいという特徴があります。

しかし、成行注文は指値注文よりも優先して取引が成立するので、板が厚い状態でも希望に近い価格ですぐに取引を成立させることが出来るのです。

状況を見て、成行注文・指値注文を使い分けるようにしましょう。

見せ板に注意

見せ板とは、自分に有利なように相場を動かそうとするために、成立させる気のない注文を板に並べておくことを言います。

例えば、現在の株価が「100円」だった場合に、「100円」よりもいくつか下の「95円」や「94円」あたりに指値買い注文を入れて、買い板が厚くなっているように見せることを言います。

こうして買い気配だと見せることで、他の人の買い注文を誘うのです。

なぜ、このようなことをするのかと言うと、見せ板をする人はすでにその株を保有しており、「105円」「106円」と売り注文を出しておきます。多くの人が買い注文を出したことで株価が上がり、売り注文が成立します。売り注文が成立した後に、先ほどの「95円」や「94円」あたりに入れていた買い注文を取り消すのです。その後、高値で買ってしまった人は慌てて株を手放すので、株価は急落します。

こうした見せ板は個人投資家には禁止されており、過去には逮捕されたケースもあります。

しかし、機関投資家の利用は許されている場合があります。

見せ板を見抜くには、板をしっかり見ておく必要があります。買いの注文が出たり入ったりしている場合は要注意です。買い注文が出たり入ったりを繰り返し、なかなか株価が上がらない場合は、見せ板を疑った方がいいでしょう。

コメントフォーム

*
*
* (公開されません)