バリュー株・グロース株とは!どっちがおすすめ?違いや見分け方、メリット・デメリットなどを解説
バリュー株とグロース株とは何かご存じでしょうか。なんとなく聞いたことはあるけど、よく分かっていないという方も多いのではないでしょうか。
自身の投資スタイルに合わせた銘柄を選択するためにも、その違いについてしっかりと理解しておくことは重要です。
当記事では、そんなバリュー株とグロース株それぞれの特徴やメリット・デメリット、見分け方などを解説します。
バリュー株とは
バリュー株とは、企業の利益や資産などで評価した「企業価値」と比較して、「株価が割安」のまま放置されている銘柄のことを言います。割安株とも呼ばれます。
バリュー株は、今後の成長期待がされていなかったり、企業の知名度の低さ等が原因で、割安に放置されていることが多いです。また、売られすぎて株価が下がったままのケースもあります。
こうした銘柄を割安な時に仕込んでおけば、その後、株価の見直しが入り、本来の企業価値まで株価が上昇することが見込めるため、利益を狙うことができます。
グロース株とは
グロース株とは、今後の成長性や将来性が期待される銘柄のことを言います。成長株とも呼ばれます。
他社にはない独自の革新的サービスを提供していたり、ニーズが拡大している市場での業績が急拡大している企業などが該当します。
バリュー株と違い、現在の企業価値に対しての株価は割高です。赤字である場合も少なくありませんが、将来の企業価値を期待されているため、大きな株価上昇が見込めます。
バリュー株のメリット
バリュー株のメリットを紹介します。
低リスクで運用できる
バリュー株は、株価の値動きが小さいのが特徴です。
大きく株価が上昇することは見込めませんが、大きく下落する心配も少なく済むので、比較的低リスクで運用することができます。
株式市場全体が下げるような局面でも、もともと割安に放置されていたため、下落率は小さくなる傾向にあり、株価が本来の企業価値に戻るまで安心して保有できます。
配当金や株主優待が充実している場合が多い
バリュー株銘柄は、配当金や株主優待制度が充実している場合が多いです。
そのため、株価上昇によって得られる利益(キャピタルゲイン)だけでなく、配当金や株主優待といった、株を保有していることで得られる利益(インカムゲイン)を、安定して受け取ることができます。
こうしたインカムゲイン目当てで、バリュー株投資をしている投資家も多いです。
バリュー株のデメリット
続いて、バリュー株のデメリットです。
短期的に大きな利益は期待できない
バリュー株は今後の成長性はあまり期待されていないため、短期的に大きく株価が上昇することは見込めません。
インカムゲインを受け取りながら長期的にコツコツと資産を増やしたい方には向いていますが、短期間で大きな利益を得たい人にとっては、向かないと言えるでしょう。
割安なまま放置されるリスクがある
バリュー株は、割安だからといって、必ずしも見直し買いが入るわけではなく、割安のままずっと放置され続けるリスクがあります。株価が回復せずに、ずるずると下落し続ける可能性もあります。
割安のまま放置されている理由としては、「企業の知名度の低さ」や「特に値上がりする材料が無い」など、様々な原因が考えられますが、例えば「業績が悪化傾向にある」「財務体質に問題がある」といった問題が原因で割安で放置されている場合は、見直し買いが入る可能性は低いと言えるでしょう。
そのため、なぜ割安で放置されているのか、原因をしっかり見極めることが重要です。
グロース株のメリット
グロース株のメリットを紹介します。
大きな売買益を得られる可能性がある
グロース株の最大のメリットは、大きな売買益を得られる可能性があるという点です。
多くの投資家から期待されている銘柄であればあるほど、株価が大きく跳ね上がる可能性があります。何か好材料のニュースがあった場合など、短期間で株価が2、3倍になることも少なくありません。
中には長期的に上昇を続け、株価が10倍以上になるケースもあります。
グロース株のデメリット
続いて、グロース株のデメリットです。
株価が大きく下落するリスクがある
グロース株の株価は、成長性や将来性を織り込んだ価格となっており、現時点での企業価値より割高となっていることがほとんどです。
期待感が膨らみ株価が割高になっている分、何か悪材料のニュースが出たり、期待よりも成長しなかった場合などは、株価が大きく下落するリスクがあります。中には短期間で株価が半分以下になってしまったケースもあります。
グロース株投資をする際は、常にこうしたリスクがあることを意識し、決算情報やニュースなどをこまめにチェックする必要があります。
配当金が無い場合が多い
グロース株銘柄は成長途中の企業であるため、得られた利益を株主に還元するよりも、自社の設備投資や事業成長に使う場合がほとんどです。そもそも業績が悪く赤字であり、利益自体が無い企業も少なくありません。
そのためグロース株銘柄は、配当金や株主優待が無い場合が多く、インカムゲインを狙った投資をしたい人には向きません。
バリュー株とグロース株の見分け方
様々な指標を用いることで、バリュー株なのかグロース株なのかを見分けることができます。
ここでは、バリュー株とグロース株を見分けるのに使用する指標について解説します。
PER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)
株価が割安かどうかを判断するのに、PER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)を使用します。
PER(株価収益率)は、株価が1株当たりの利益に対して何倍の価値になっているかを示す指標であり、PERが低いほどその会社の株価は割安だと判断できます。業種・業界によって異なりますが、一般的にPERの平均は15~20倍程度となっています。(※PERについての詳細はこちらの記事にて詳しく解説しています。)
PBR(株価純資産倍率)は、株価が1株当たり純資産の何倍の値段がつけられているかを測る指標であり、PBRが1倍よりも小さいと割安だと判断できます。(※PBRについての詳細はこちらの記事にて詳しく解説しています。)
これら二つの指標を用いることで、株価が割安なのか割高なのかを判断することができます。
バリュー株は割安株とも呼ばれることからPER・PBRともに市場平均よりも小さい傾向にあり、グロース株は今後の成長性を期待されており、将来の利益成長が株価に織り込まれていることが多いことからPER・PBRともに高い傾向にあります。
ROE(自己資本利益率)
グロース株を探すのに役立つ指標がROEです。
ROEは、自己資本を用いて企業がどれくらいの利益を上げているのかを示す指標であり、「自己資本利益率」または「株主資本利益率」とも呼ばれます。
ROEは当期純利益から自己資本で割ることで求めることができ、「%」で表します。
ROEが高いほど、その企業は集めた資金で、効率良く利益を上げていることになります。
業種にもよりますが、一般的にROEが10%以上であれば、高い売り上げがあり、成長性のある企業であると判断することができます。
売上高成長率
もう一つ、グロース株を探すのに役立つ指標が売上高成長率です。
売上高成長率は、企業の売上高の伸び率のことを言います。当期の売上高と前期の売上高との差を前期の売上高で割ることで求めることができ、「%」で表します。
例えば当期の売上高が10億円で、前期の売上高が8億円だった場合、
(10億円 - 8億円) ÷ 8億円 × 100 = 25%
となります。
グロース株を探す際には、継続して成長しているかを見ることが重要なので、単年だけでなく複数年の期間(3〜5年程度)で見て判断するようにしましょう。一般的に、前年同期比で10%以上の成長を数年に渡り続けている場合、成長性のある企業であると判断することができます。
バリュー株とグロース株どっちがおすすめ?
バリュー株とグロース株のそれぞれにメリット・デメリットがありますので、どちらかが優れていて、どちらかが劣っているということはありません。
そのため、自身の投資スタイルや目的に応じて選ぶようにするといいでしょう。
例えば、リスクを負ってでも短期的に大きな利益を得たい場合には「グロース株」、配当金をもらいながらじっくり安定して長期投資をしたい場合には「バリュー株」の方がおすすめと言えます。
それでもどちらにするか決められないといった場合には、両方に投資をするというのがおすすめです。バリュー株とグロース株とで、異なった値動きをすることも多いため、分散効果も期待できます。
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