上方修正のタイミングは?先回り投資で株価上昇銘柄を見つけよう!
企業が年間の売上や利益などの業績見通しを、当初予想していた数値よりも高く見直すことを上方修正と言います。
この業績の上方修正は、株価にどのような影響を与えるのでしょうか。
また上方修正はどのようなタイミングで行われるのか、上方修正しそうな銘柄を見つけるにはどうしたら良いのか等、当記事にて詳しく解説します。
上方修正とは
上方修正とは、企業が年間の売上や利益などの業績見通しを、当初予想していた数値よりも高く見直すことを言います。(※上方修正の読み方は「じょうほうしゅうせい」)
売上高や利益などの予想数値が、これまでに予想されていた数値よりも良くなったことを表しているため、将来性への期待から買いが集まりやすく、株価が上昇する要因となります。
反対に、予想していた数値よりも引き下げることを下方修正と言い、下方修正が発表されると将来性への不安から売り込まれやすく、株価が下落する要因となります。
上方修正で株価はどうなる?
株価は上がる場合が多い
売上や利益などを表す業績の推移は、その企業が成長しているかどうかを見極める大きな判断材料となります。
そのため業績の上方修正が発表されると、将来性への期待感から買いが集まりやすく、株価が上昇する要因となります。
特に当初の予想と比べて大幅に上方修正した場合、その企業は大きく成長していく可能性があるため、多くの買いが集まりやすく、その分株価も上昇しやすくなります。
株価が下がる場合もあるので注意
しかし、上方修正をしても株価が下がる場合もあるので注意しましょう。
それは上方修正がコンセンサス予想を下回った場合です。
コンセンサス予想とは、企業分析のプロであるアナリストが発表する業績予想の平均値のことを言います。
このコンセンサス予想を重要視している投資家も多く、業績予想がコンセンサス予想を上回ったか、それとも下回ったのかということが重要な判断材料のひとつになります。
上方修正は市場予想を大きく上回るほどサプライズ感があり、株価を大きく上昇させる要因となります。
つまり、業績予想がコンセンサス予想を上回れば「期待以上」ということで株価が上がりやすいですが、コンセンサス予想と同程度、もしくは下回った場合は「期待外れ」ということで、株価の下落要因となります。
上方修正が行われるタイミングは?
企業は3カ月に1度の決算発表の際、通期・次期の損益についての予想値を公表します。この当初予想していた業績の数値と、実際の業績の数値とで、一定割合以上の差が出る場合に、業績予想の修正を発表することが証券取引所によって義務付けられています。
東京証券取引所では、売上高が直近予想より10%以上、営業利益・経常利益・当期純利益が直近予想より30%以上差があった場合に、業績予想の修正を発表しなければならないルールになっています。
また、この一定割合以上の差が出ることが判明した時点で業績予想修正を速やかに発表することもルールとして定められています。
以上の点から、上方修正が行われるタイミングは企業ごとに異なりますが、決算日に上方修正を発表する企業や、決算日の直前(1~2週間前くらい)に発表する企業が多いです。
これは、企業が決算発表の準備をしている際に、売上や利益が当初の予想と大きく差が出ると分かるケースが多いためです。
上方修正しそうな銘柄を先回りするには?
上方修正しそうな銘柄を、上方修正の発表前に先回りして投資することができれば、大きな利益を得られる可能性が高くなります。
上方修正する可能性が高い銘柄を見つけるための重要なポイントを紹介します。
【ポイント1】第1四半期決算での進捗率が高い
第1四半期決算での通期計画に対する進捗率が高いと、通期決算の業績が会社予想と比べて上振れする可能性が高いです。
目安として第1四半期決算での進捗率が25%以上あるかどうかを見るといいでしょう。
【ポイント2】前年同時期と比較して進捗率が高い
第1四半期決算での進捗率が前年同時期と比較して高いと、中間決算での上方修正が期待できます。
【ポイント3】すでに上方修正を発表
業績予想は、期首に強気の業績予想を出して目標を達成できないリスクを取るよりも、保守的な業績予想を出しておいて順当に目標を達成していった方が良いと考える企業が多いです。
そのため、第1四半期や中間決算で上方修正を発表した企業は、保守的で上振れ余地を残した予想を立てるケースが多く、後に再度上方修正する可能性があります。
まとめ
上方修正は、売上高や利益などの予想数値が当初予想されていた数値よりも良くなったことを表しているため、株価の上昇要因となります。
しかし、上方修正が発表されてもコンセンサス予想を下回ると株価が下落することもあります。
上方修正しそうな銘柄を見つけるためのポイントをしっかり抑え、これまで行われた上方修正のタイミングや条件を分析し、先回り戦略をしっかり立ててチャンスに備えるようにしましょう。
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