NISAとは?メリットやデメリットなど初心者にも分かりやすく解説!
NISA(ニーサ)で投資をすると税金が優遇されるというのを何となく聞いたことがあるけど、具体的にどういったものなのかよく分からないという人も多いと思います。
NISAには、投資で得た利益が非課税になるというメリットだけでなく、デメリットや注意点もあるので、NISA口座を開設する前にしっかりと理解しておく必要があります。
そこで、当ページではNISAとは何か?メリットやデメリットなど初心者にも分かりやすく解説します。
NISAとは
NISA(ニーサ)とは、株式投資や投資信託の売買などで得た利益が、非課税として優遇される制度です。
本来、投資で得た利益や配当金に対し、およそ20%の税金がかかるのですが、NISA口座で取引した場合、投資額が『年間120万円』までであれば税金がかからなくなります。
そのため、「まずは少額で取引をしたい」という初心者の方には嬉しい制度になります。
NISAのメリットは投資で得た利益が非課税になること
NISAのメリットは何と言っても、投資額が年間120万円までであれば、投資で得た利益(売却益・配当金など)に対し税金がかからないという点でしょう。
NISA以外の口座で投資をした場合、およそ20%の税金がかかるので、かなりお得であると言えます。
ではどのくらいお得か、具体例を見てみたいと思います。
例えば、「100万円」で購入した株が、その後値上がりして「130万円」になった時点で売却した場合の例を見てみましょう。
【NISA口座】
130万円 - 100万円 = 30万円
NISA口座の場合税金がかからないので、「100万円」で購入した株を「130万円」で売却すれば、その差額分である「30万円」全額をもらうことができます。
【NISA以外の口座】
(130万円 - 100万円) × (100% - 20.315%) = 23万9055円
NISA以外の口座(一般口座・特定口座)の場合、利益に対しおよそ20%の税金がかかるため、税金を差し引いた分の「23万9055円」をもらうことができます。
つまり、
30万円 - 23万9055円 = 6万945円
となり、NISA口座かNISA口座じゃないかというだけで、もらえる金額に「6万945円」の差が出ることになります。
もちろん、利益が大きくなれば、その分差額もさらに大きくなります。
NISAのデメリット
NISAにはメリットだけでなく、デメリットもあるので注意するようにしましょう。
どんなデメリットがあるのか、解説します。
投資額は年間120万円までが限度
NISAで非課税対象となる投資額の限度は、年間120万円までとなっています。
例えば、
・A銘柄(50万円)
・B銘柄(30万円)
・C銘柄(70万円)
・D銘柄(130万円)
上記のような銘柄がある場合、
A銘柄とB銘柄とC銘柄の購入は、合計で50万円+30万円+70万円=150万円となるので、不可
B銘柄を4つ購入すると、30万円×4=120万円となるので、可
A銘柄とC銘柄の購入は、合計で50万円+70万円=120万円となるので、可
D銘柄の購入は、130万円なので、不可
短期売買に向かない
NISAは非課税枠の再利用ができないので、短期売買には向きません。
どういうことかと言うと、例えば「30万円」で購入した株を売却をしたからといって「30万円」分の非課税枠が復活することはありません。
つまり、1日で「30万円」の株を4回売買すると、1年分の非課税枠を使いきってしまうことになります。
そのため、1日で何度も売買するようなデイトレードなどの短期売買には、NISAは向かないのです。
NISA口座は長期投資用として使うようにしましょう。
損益通算できない
通常の口座では、A証券口座で10万円の利益、B証券口座で3万円の損失を出してしまった場合、かかる税金というのは「10万円の利益 - 3万円の損失 = 7万円」となり、損失分を差し引いた額「7万円」が課税の対象となります。
このように、複数の証券口座で得た利益と損失を合算して税金を減らすことを『損益通算』と言います。
しかし、NISAではこの損益通算が出来ないのです。
仮に、上記のB証券口座がNISA口座であった場合、3万円分の損失を相殺させることができないので、A証券口座での利益「10万円」全額が課税対象となってしまうのです。
非課税になる期間は5年間
購入した株の売却益や配当金などが非課税になる期間は、購入した年を含めて5年間です。
例えば、2016年に購入した株が非課税で運用できるのは、2020年までとなります。
非課税期間が終了したらどうなるの?
NISAで購入した株が非課税になる期間は5年間であるというのはすでに述べたとおりです。
では、非課税期間が終了してしまったらどうすればいいのでしょうか。
投資家が行う選択肢としては主に以下の3つがあります。
・非課税期間が終了する前に株を売却する
・新たなNISA口座に移管する(ロールオーバー)
・非課税ではない口座(特定・一般)に移管する
非課税期間が終了する前に株を売却する
まず、一つ目の方法としては、非課税期間が終了する前に株を売ってしまうという方法です。
期間内に売れば当然税金はかかりませんので、何も問題はありませんね。
しかし、利益が出ている場合であればこの方法で問題ないかもしれませんが、購入した時よりも株価が下がって損失(含み損)が出ている場合は、売却してしまうと損をしてしまいますので、売却したくないといったこともあるかもしれません。
また、購入した時よりも株価が上昇して利益が出ていたとしても、今後さらなる上昇が見込める場合は、売却せずにもっと保持していたいといったこともあるかもしれません。
新たなNISA口座に移管する(ロールオーバー)
期間内に株を売却したくないといった場合には、新たなNISA口座に移管するといった手段をとることも可能です。これをロールオーバーと言います。
新たなNISA口座に移管することで、新たにNISAで購入したものとして見なされますので、実質非課税期間を5年間延長することができます。
ロールオーバー後の5年の間に利益が出たタイミングで売却することができれば非課税で利益を受け取れます。
しかし現時点で、NISA自体が2023年までの制度となりますので、2024年以降はこのロールオーバーが使えなくなります。
非課税ではない口座(特定・一般)に移管する
期間内に売却できない、ロールオーバーもできないといった場合は、非課税ではない口座(特定・一般)に移管する方法を取ることになります。
購入した株が値下がりした(含み損がある)状態で、非課税ではない口座に移管してしまうと、利益が出ていないのに税金を支払わなくてはならなくなります。
例えば、NISA口座で「100万円」の株を購入したとします。
その株が「80万円」まで値下がりしてしまい、その後非課税ではない口座(特定・一般)に移管すると、その株を「80万円」で購入したと見なされてしまいます。
口座移管後に、株価が元の「100万円」に戻り、そこで売却したとします。
本来であれば、「100万円」で購入した株を「100万円」で売却しているわけですから利益は「0円」になりますので、税金はかかりません。※配当金や手数料などは考慮していません
しかし、非課税ではない口座に移管したタイミングで、「80万円」で購入したことになっていますので、「100万円」との差額で「20万円」の利益が出ていると見なされ、その20万円に対し税金が課せられてしまうのです。
このように損失が出た状態で通常口座に移管すると、普通に運用しているよりも多く税金を支払わなくてはならなくなる可能性があるということをしっかり覚えておきましょう。
おすすめNISA口座
最後に、NISA口座を開設するならおすすめの証券会社を紹介します。
注意点として、特定口座や一般口座は複数の証券会社で開設可能ですが、NISA口座は1人1口座しか開設出来ないと決まっていますので、注意してください。※1年ごとに証券会社を変更することは可能
SBI証券
口座開設数が多く、顧客満足度の高い証券口座といえばSBI証券です。
SBI証券のNISA口座は国内株式の売買手数料が完全無料です。加えて海外ETFの購入手数料も無料です。
全ての市場の国内銘柄の取引が可能で、海外銘柄も豊富です。IPO銘柄がNISA対象なのも嬉しいところです。
取引ツールはパソコン・スマホ共に使いやすく評判も良いです。
マネックス証券
マネックス証券のNISA口座も国内株式の売買手数料が完全無料です。さらに海外株購入手数料も全額キャッシュバックされるので実質無料となっています。
海外株の購入を検討している人におすすめです。
IPO銘柄の取扱いも豊富です。
楽天証券
楽天証券のNISA口座も国内株式の売買手数料が完全無料です。加えて海外ETFの購入手数料も無料です。
投資信託のラインナップが充実しており、海外株も幅広い銘柄が揃っています。
楽天証券といえば「マーケットスピード」などのツールが使いやすさと信頼性の高さで定評があります。
コメントフォーム