RSIとは?基本的な見方や使い方を徹底解説!弱点もしっかり把握して投資に役立てよう
RSIは、オシレーター系テクニカル分析指標の一つです。(※「アールエスアイ」と読みます。)
J・ウエルズ・ワイルダーによって開発されたもので、市場の「買われすぎ」「売られすぎ」を判断するのに役立ちます。
当記事では、RSIの基礎や実践での使い方など、初心者にも分かりやすいよう徹底解説します。
RSIとは
RSI(Relative Strength Index)とは、日本語で「相対力指数」という意味であり、一定期間の値動きから、現在の相場における相対的な価格変動の強弱(価格が上昇する勢いと下落する勢いのどちらが強いのか)を数値化したものになります。
簡単に言うと、市場の「買われすぎ」「売られすぎ」を判断するのに役立つ指標です。
数値は0~100%の範囲で推移し、100%に近いほど買いの勢いが強く、0%に近いほど売りの勢いが強いということになります。一般的には、70%以上で買われすぎ、30%以下で売られすぎと判断されます。
RSIの計算式
RSIは以下の計算式で求めることが出来ます。
※A ⇒ n日間の価格の上げ幅の平均
※B ⇒ n日間の価格の下げ幅の平均
上げ幅や下げ幅というのは、前日の終値と本日の終値の差のことです。前日と比べて値上がりした日はプラスになるので、上げ幅を求めることが出来ます。反対に値下がりした日はマイナスになるので、下げ幅を求めることが出来ます。
例えば、以下の例を見てみましょう。
日にち | 株価 | 前日との価格差 |
---|---|---|
初日 | 100円 | |
1日目 | 122円 | +22 |
2日目 | 114円 | -8 |
3日目 | 117円 | +3 |
4日目 | 124円 | +7 |
5日目 | 119円 | -5 |
6日目 | 133円 | +14 |
7日目 | 136円 | +3 |
8日目 | 131円 | -5 |
9日目 | 129円 | -2 |
10日目 | 140円 | +11 |
このケースでは、値上がりしているのは1日目・3日目・4日目・6日目・7日目・10日目なので、
上げ幅の合計は「22 + 3 + 7 + 14 + 3 + 11」で「60」となり、10日間で計算しているので平均は「60 ÷ 10」で「6」となります。
値下がりしているのは2日目・5日目・8日目・9日目なので、
下げ幅の合計は「8 + 5 + 5 +2」で「20」となり、平均は「20 ÷ 10」で「2」となります。
RSIの計算式に当てはめると以下のようになります。
6 ÷ (6+2) × 100 = 75
つまり、今回の例ではRSIは「75」ということになります。
RSIの期間(日数)はいくつが最適?
一般的にRSIの設定日数は「14日」とされています。
期間が短すぎたり長すぎたりすると、「だまし」が発生しやすく、参考にならなくなる可能性が高くなるため注意しましょう。
RSIの見方
RSIは0~100%の範囲で推移します。
70%以上のゾーンに入ると買われすぎ、30%以下のゾーンに入ると売られすぎと判断することができます。買われすぎということは売りシグナルであり、売られすぎということは買いシグナルということになります。
そして、真ん中には50%のラインがあります。
この50%ラインよりも上のゾーンにあり、グラフが上向きなら上昇の勢いが強いと判断することができます。反対に、50%ラインよりも下のゾーンにあり、グラフが下向きなら下落の勢いが強いと判断することができます。このようにトレンドの強弱の判断に役立てることも出来ます。
RSIの使い方
逆張りのシグナルとして活用
基本的にRSIは逆張りのシグナルとして活用します。
逆張りとは、相場の反発を見越した取引のことを言います。「相場が上昇している時に売りを入れて、反発したら買い」、「相場が下落している時に買いを入れて、反発したら売り」といった売買方法になります。
つまり、RSIが70%以上になると買われすぎ(上昇しすぎ)であり、相場が反転することを見込んで逆張りの売りと判断します。
反対に、RSIが30%以下になると売られすぎ(下落しすぎ)であり、相場が反転することを見込んで逆張りの買いと判断します。
トレンド転換のサインとして活用※ダイバージェンス
RSIは、トレンド転換のサインとして活用することも出来ます。
RSIは、相場の上げ幅を相対的に表しているものなので、基本的に相場が上昇していればRSIも上昇し、相場が下落していればRSIも下落します。
しかし、相場の動きとRSIの動きが逆行することがあります。つまり、相場が上昇しているのにRSIは下落し、相場が下落しているのにRSIは上昇するといった現象です。これをダイバージェンス(逆行現象)と言い、直前までの相場のトレンドが中断または転換する有力なシグナルとなります。
RSIの弱点
RSIは、チャートが横ばいの時(ボックス相場)や穏やかなトレンド相場の時に、最も機能するテクニカル指標です。
ただし、非常に強いトレンドが発生している時においては、RSIは誤った売買シグナルを出す可能性が高くなりますので注意が必要です。
大きな上昇トレンドが発生している時は、RSIが買われすぎのサインを出していても、さらに買い注文がグングン入り株価が上昇していくケースが発生しやすくなります。反対に、大きな下落トレンドが発生している時は、RSIが売られすぎのサインを出していても、さらに売り注文が入り株価が下落していくケースが発生しやすくなります。
これがRSIの弱点です。株価が急騰していたり急落していたりするような、一方的な上昇や下落を続ける相場においては、RSIはあまり機能しないと思った方がいいでしょう。
まとめ
オシレーター系テクニカル分析指標の一つ、RSIについて解説しました。
RSIは一本のラインで表すことが出来てシンプルですので、初心者にも非常に分かりやすい指標であると言えます。
ただし、RSIの売買シグナルは絶対ではありません。誤った売買シグナルを出すこともありますので注意が必要です。RSIが70%以上だから売る、30%以下だから買うといった安易な取引の仕方はしない方が良いでしょう。
RSIのシグナルだけを判断材料とするのではなく、必ず他の指標と組み合わせて活用するようにしてください。
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