グランビルの法則は使えない?勝率を上げる最強の設定値や初心者におすすめの使い方とは
グランビルの法則は、米国のチャート分析家であるジョセフ・E・グランビル氏が考案した代表的なテクニカル分析手法の一つです。
多くのトレーダーに使われている手法であり、「最強」という声もあれば、「使えない」といった声もあります。
そこで当記事では、そんなグランビルの法則について徹底解説していきます。実践での使い方や使う上での注意点、初心者におすすめのポイントなどを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
グランビルの法則とは
グランビルの法則とは、米国のチャート分析家であるジョセフ・E・グランビル氏が考案した代表的なテクニカル分析手法の一つです。
移動平均線の方向や株価との乖離等を見ることで、売買ポイントを判断する分析手法です。
例えば、移動平均線の方向で、上昇傾向にあるのか、下落傾向にあるのか、横ばいなのかといった長期的なトレンドを判断します。
また、移動平均線と株価がどれくらい離れているかで、買われすぎや売られすぎといった相場の過熱感を判断し、株価が移動平均線を下から上へ突き抜けたか、上から下へ突き抜けたかで、トレンドの転換ポイントを判断します。
買いパターンが4つ、売りパターンが4つ、計8つの売買パターンの法則で成り立っています。
グランビルの法則が最強と言われている理由
グランビルの法則は多くのトレーダーに利用されており、「最強」という声も良く耳にします。その理由として主に以下のようなものが挙げられると思います。
シンプルで分かりやすい
相場を分析する際、初心者から上級者までほとんどのトレーダーが移動平均線を活用します。
グランビルの法則は、そんな誰もが使用する移動平均線を活用した分析手法なので、シンプルで分かりやすいです。基本的に移動平均線を使用した手法というのは、グランビルの法則が使われています。
売買ポイントが分かる
グランビルの法則を活用することで、トレンド転換ポイントや押し目ポイント等を判断することができますので、売買ポイントが分かります。
買いと売りのどちらのポイントも分かり、上手くトレンドの波に乗ることができれば大きな利益を狙うことができます。
リスクを回避することができる
グランビルの法則を活用することで、売買ポイントを判断することができるため、大きなリスクを回避しながらトレードすることができます。
ただし誤ったエントリーをした際には、損切りをするなど適切な対応が必要になります。
移動平均線の期間や時間足は何を使うべき?
勝率を上げるためには使用する移動平均線の期間や時間足も重要です。
推奨する移動平均線の期間や時間足は、「200日移動平均線」と「日足」となります。
もちろん決まりがあるわけではなく、取引スタイルによって他の設定を用いるケースもありますが、「200日移動平均線」と「日足」を用いて分析するのが一般的ですので、基本的にはこの設定で行うようにするといいでしょう。
グランビルの法則の使い方
それではグランビルの法則の使い方を見ていきましょう。
グランビルの法則には売買ポイント出現パターンの法則があり、以下8パターンの売買ポイントがあります。
買いポイント(1)
移動平均線が下落を続けた後、横ばいまたは上向きつつある局面で、株価が移動平均線を下から上に突き抜けた場合、買いポイントとなります。
下落トレンドが続くと、株価はほぼ移動平均線の下側にありますが、トレンドが変わり株価が上昇傾向にあると、移動平均線の向きが徐々に変わり、株価が移動平均線を下から上に突き抜けます。
買いポイント(2)
移動平均線が上昇基調にある時に、株価が下落し一時的に移動平均線を下回るが、比較的早い段階で再度株価が上昇し移動平均線を下から上に突き抜けた場合、買いポイントとなります。
上昇トレンドでも株価が常に上昇し続けるということはなく、上昇の途中で何度が下落(押し目)をすることがあり、そのような局面が買いポイントになります。
買いポイント(3)
移動平均線が上昇基調にある時に、株価が移動平均線付近まで下落するも、移動平均線を下回ることなく再度株価が上昇した場合、買いポイントとなります。
上昇トレンド時、株価が下落してきた際に、移動平均線を下回らずに再度上昇に転じた場合は、『買いポイント(2)』の時同様に、押し目と判断することができます。
買いポイント(4)
移動平均線が下落基調にある時に、株価が下落して移動平均線から大きく下に乖離した場合、買いポイントとなります。
株価が大きく下落し、移動平均線から大きく下に乖離した時は、再度移動平均線付近まで反発することが期待できます。これを逆張り手法と言います。
売りポイント(1)
移動平均線が上昇を続けた後、横ばいまたは下向きつつある局面で、株価が移動平均線を上から下に突き抜けた場合、売りポイントとなります。
上昇トレンドが続くと、株価はほぼ移動平均線の上側にありますが、天井を打ち株価が下落してくると、移動平均線の向きが徐々に変わり、株価が移動平均線を上から下に突き抜けます。
売りポイント(2)
移動平均線が下落基調にある時に、株価が上昇し一時的に移動平均線を上回るが、比較的早い段階で再度株価が下落し移動平均線を上から下に突き抜けた場合、売りポイントとなります。
下落トレンドでも株価が常に下落し続けるということはなく、下落の途中で何度が上昇(戻り)をすることがあり、そのような局面が売りポイントになります。
売りポイント(3)
移動平均線が下落基調にある時に、株価が移動平均線付近まで上昇するも、移動平均線を上回ることなく再度株価が下落した場合、売りポイントとなります。
下落トレンド時、株価が上昇してきた際に、移動平均線を上回らずに再度下落に転じた場合は、『売りポイント(2)』の時同様に、戻りと判断することができます。
売りポイント(4)
移動平均線が上昇基調にある時に、株価が上昇して移動平均線から大きく上に乖離した場合、売りポイントとなります。
株価が大きく上昇し、移動平均線から大きく上に乖離した時は、再度移動平均線付近まで修正されることが期待できます。比較的短期的な下落が予想できます。
初心者が狙い目のポイント
初心者が狙い目のポイントは、買いポイント(1)、売りポイント(1)でしょう。移動平均線を突き抜けたらエントリーする方法になるので、非常にシンプルで初心者でもエントリータイミングを見つけやすいと言えます。
買いポイント(2)(3)、売りポイント(2)(3)は、押し目や戻りを待つ手法になり、反発してトレンドが続くことを確認しなければなりません。そのため初心者にとってはやや難易度が高いと言えるでしょう。
買いポイント(4)、売りポイント(4)は移動平均線から大きく乖離したタイミングを狙った手法ですが、株価が反発せずそのまま下落または上昇を続ける可能性があります。エントリー後に反発しなかった場合、損失が大きく膨らんでしまうリスクがあるため、投資経験の少ない初心者は活用しない方が賢明でしょう。
グランビルの法則は使えない?
グランビルの法則は多くのトレーダーに利用されている分析手法ですから、中には「使えない」といった声も良く耳にします。果たして本当に使えないのでしょうか。
結論から言うと、グランビルの法則は決して使えないということはありません。
グランビルの法則は相場の基本原則であり、よくある手法の一つとも言えます。そのためグランビルの法則についてしっかり学び、正しい使い方をすれば利益を上げることができるでしょう。
もちろん100%グランビルの法則のパターン通りに株価が動くということはありません。しかしこれはグランビルの法則に限った話ではなく、すべてのテクニカル分析手法に言えることです。
実践を重ねることで経験を積み、より精度を上げていくようにしましょう。もし誤ったエントリーをしてしまった際には、適切に損切りをするなどのリスク管理は必須です。
グランビルの注意点やデメリットについて
グランビルの法則は決して万能ではなく、誤ったシグナルを出す可能性があります。移動平均線は価格に遅行していく指標なので、今後のトレンドを確実に把握できるものではありません。グランビルの法則の売買サイン通りに株価と移動平均線がなったとしても、その先法則通りに株価が動くとは限りません。
特に注意したいのが買いポイント(4)と売りポイント(4)です。相場の上昇幅や下落幅を予測するのはプロでも難しいためです。反発せずにそのままトレンドが継続すると大きな損失を生み出すリスクがあります。
想定とは逆の方向へ株価が動いた際には適切に損切りをするなど、リスク管理を徹底することが大切です。
また、グランビルの法則は8つの売買ポイントがありますが、必ずしもこのパターン通り売買ポイントが現れるとは限りません。一つの波動の中で、8つの売買ポイントが全て出るというわけでもありません。
まとめ
グランビルの法則は、移動平均線を活用した分析手法であり、シンプルで分かりやすいので、初心者でもすぐに使うことができます。
しかし、必ずしもパターン通りに株価が動くわけではなく、だましに合う可能性もあります。特に乖離幅を狙った手法においては、トレーダーの裁量による部分が大きいので、初心者にとっては難易度が高く注意が必要です。
グランビルの法則の精度をより上げるために、その他の指標と組み合わせて活用するのもいいでしょう。
また、誤ったエントリーをしてしまった時のために、損切りラインを徹底しておくことも大切です。
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