メタバース(仮想空間)市場の成長性に期待!?国内で注目の銘柄は?
コロナ禍の影響でテレワークが浸透するなど、あらゆる活動をオンライン上で行うようになりました。
それにより、ここ最近ではメタバース(仮想空間)市場の成長性がより注目されるようになっています。あのFacebook社がメタバース事業への参入を決め、社名を変更したことも記憶に新しいでしょう。
当記事ではそんなメタバースについての解説と、国内で注目のメタバース関連銘柄等も併せて紹介します。
メタバースとは
メタバースとは、「メタ(超越)」と「ユニバース(宇宙)」を組み合わせた造語で、ネットワーク経由でアクセスを可能にした共通の仮想空間を表す用語となります。主にVR(仮想現実)やAR(拡張現実)技術を利用したデジタル空間を指すことが多いようです。
この仮想空間内にオフィスやショールーム、イベント会場などを構築し、利用者はそれぞれのアバターを使って、まるで現実世界にいるかのようにコミュニケーションをとったりライブに参加をしたりと活動をすることができます。
世界的に大ヒットとなった任天堂の「あつまれ どうぶつの森」や、コロナ禍である2020年に行われた仮想空間「バーチャル渋谷」でのハロウィーンイベントが、メタバースの一種と考えられます。
高成長が期待されるメタバース市場
5Gの普及や、VR(仮想現実)・AR(拡張現実)技術の進展等により、今後メタバース市場が高成長されることが期待されています。
ブロックチェーン技術を採用したNFT(非代替性トークン)が普及することで、現実世界と同様の経済活動も可能になると言われています。
現実世界と仮想空間を行き来するような日常がくることも、そう遠くない未来かもしれません。
海外大手企業がメタバースに注力
海外では大手企業がメタバースに注力しており、今後のメタバースの動向に注目が集まっています。
Facebook社は、社名を「Meta Platforms(メタプラットフォームズ)」に変更し、メタバース事業への本格参入を表明しました。同社は、本当に会議室にいるような感覚になれる仮想ワークルーム「Horizon Workrooms」のベータ版を公開しました。
また、Microsoft社もビデオ会議ツールの「Microsoft Teams」を強化し、メタバース上でのコラボレーションを可能にする「Mesh for Microsoft Teams」を2022年に提供すると発表しています。
そしてバトルロイヤルゲーム「フォートナイト」で知られるエピックゲームズは、メタバースの構築に向け、およそ10億円の投資を行うと発表しました。
注目したい国内メタバース関連銘柄
もちろんメタバース事業を行っているのは海外の企業だけではありません。メタバース事業に着手している、または着手予定の日本企業もいくつか存在します。
そこで、日本の株式市場においてもメタバース関連銘柄が物色されつつあります。ここでは注目したい国内のメタバース関連銘柄を紹介します。
※チャートは2021年11月15日終値時点のものです。
グリー (3632)
バーチャルライブ配信アプリ「REALITY」を運営してきた、グリーの100%子会社であるREALITY株式会社が、同社のライブエンターテインメント事業をメタバース事業と名称変更し、メタバースへの投資を積極的に行っていくことを発表しました。
投資額は今後2~3年で100億円ほどを想定しており、国内だけでなく全世界のユーザーを獲得することを目指すとしています。
シーズメン (3083)
カジュアル衣料専門店を展開するシーズメンは、外神田商事株式会社との業務提携によりメタバースファッション事業に進出すると発表しました。
アバターのファッションを日常の普段着として使えるよう再デザインし、現実世界の商品として販売するそうです。
ソニーグループ (6758)
ゲーム事業やVR機器を展開するソニーグループも注目です。ソニーグループは、「フォートナイト」で知られるエピックゲームズにおよそ268億円の戦略的出資を行っています。また、2022年にはPlayStation5向けの次世代VRヘッドセットを発表する予定としています。
さらにメタバースと親和性が高い音楽やアニメの分野にも強いので、メタバース関連株として注目です。
シャノン (3976)
シャノンはマーケティングオートメーション・イベントマーケティング事業を展開する企業です。
同社の子会社である株式会社ジクウは、メタバース型バーチャルイベントサービス「ZIKU」の提供を開始しました。利用者はバーチャル展示会の中を自由に見て回ることができ、企業のスタッフと音声で会話することも可能であるため、リアルの展示会に参加したような気分になれるそうです。
ガーラ (4777)
ガーラは、オンラインゲームやスマートフォンアプリの開発を手掛ける企業です。
同社の連結子会社であるGala Labは、自社開発したオンラインゲーム「Flyff Online」「Rappelz Online」において、メタバースプラットフォーム内で提供するゲーム「Flyff World for Metaverse」「Rappelz World for Metaverse」の開発契約を締結したと発表しました。
メタリアル (6182)
メタリアルは、人工知能活用の自動翻訳サービス・ソフトを提供する企業です。
同社はVR旅行やVR音楽などのサービスに注力しており、メタバースにて必要なサービスの提供を行っているため、メタバース関連銘柄としても注目したいところです。
IMAGICAGROUP (6879)
IMAGICA GROUPは、第2四半期決算説明会でメタバース事業に参入することを発表しました。AR、VR、ライブビューイング、5G、動画配信等の最先端テクノロジーを駆使し、エンタメテック分野に特化したグループ会社IMAGICA EEXを通じて取り組むとのことです。
2021円9月4日に開催された「第33回 マイナビ 東京ガールズコレクション2021 AUTUMN/WINTER」ではバーチャル空間で体験できるファッションショーを実現しました。
GFA (8783)
渋谷のクラブ「CAMELOT」を運営しているGFAは、「CAMELOT」のメタバース事業を開始し、メタバースでコミュニケーションができるアプリや、NFTを補完するウォレットなどの開発を行っていくとしています。
さらに京都のお寺「光明寺」と業務提携し、仏教行事をメタバースでできるようにしていくとのことです。
KDDI (9433)
大手キャリアであるKDDIは、2020年5月に渋谷未来デザイン、渋谷区観光協会、その他参画企業50社によって、現実の渋谷を模したバーチャル空間「バーチャル渋谷」をオープンしました。「バーチャル渋谷」によって自宅にいながら様々なイベントの開催や参加が可能となりました。
そして2021年11月には渋谷未来デザイン、東急、みずほリサーチ&テクノロジーズと共同で都市連動型のメタバースに向けた「バーチャルシティコンソーシアム」を発足しました。
KDDIは時価総額が大きいので、メタバース関連の思惑だけで大きく株価が動くことはないとは思いますが、長期目線で注目しておきたい企業です。
日本電信電話 (9432)
NTTは、2020年11月に日本初の3D空間型オウンドメディア「DOOR」を開設しました。「DOOR」はアプリのインストール不要で、マルチデバイス対応でブラウザからアクセスすることが可能です。「DOOR」を使えばだれでも簡単にバーチャル空間を制作することが可能であり、3DCGやプログラムの経験が無い人でも簡単にオリジナルバーチャルショップが作れます。
2021年9月28日に行われた記者説明会では、DOORでも配信され、DOOR内においては代表取締役社長である澤田氏がアバターとなって登場しました。
まとめ
旧FacebookやMicrosoftなど、海外大手企業がメタバースに注力する中、日本の株式市場でもメタバース(仮想空間)関連銘柄が注目を集めています。
今後のメタバース関連銘柄の動向には注目していきたいところです。
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