S&P500の買い方を解説!おすすめの投資信託・ETFは?それぞれのメリット・デメリットも紹介!

S&P500の買い方を解説!おすすめの投資信託・ETFは?それぞれのメリット・デメリットも紹介!

近年、米国株への関心が高まっていますが、中でもS&P500は注目度の高い米国の株式インデックス指数であり、米国の主要な上場企業から選出された500社の株価をもとに算出しています。

S&P500は株式インデックス指数であるため、そのものを購入するという感じではなく、このインデックスに連動した投資信託やETFを購入することになります。

当記事では、そんなS&P500の買い方や、S&P500に連動した投資信託やETFのメリット・デメリットなどを解説します。

そもそもS&P500とは?

S&P500とは米国株式市場を代表する株式インデックス指数です。

幅広い業種の主要な米国企業から選出された500社の株価をもとに算出されており、その時価総額は米国株式市場全体のおよそ70~80%ほどをカバーしています。そのためS&P500を見ることで米国株式市場全体の状況を把握することができます。

S&P500の構成銘柄は原則四半期ごとに、各企業の業績や今後の見通しなど総合的に判断された結果、入れ替えが行われます。

S&P500は長期的な右肩上がり

S&P500が多くの投資家から注目を集めている一番の理由は、長期的に成長をし続けているという点でしょう。長期チャートで見ると、もちろん多少の上下はありますが、綺麗な右肩上がりで大きく株価が伸び続けているのが分かるかと思います。

【S&P500の長期チャート】
S&P500のチャート

日本の場合、日本を代表する225社の平均株価である「日経平均」がありますが、この日経平均株価も結果的に成長してはいますが、長期チャートで見ると綺麗な右肩上がりとはいかず、途中で何度か低迷期があります。最も大きな低迷期は、やはりバブル崩壊後でしょう。1990年のバブル崩壊後およそ10年間低迷期が続いていました。

【日経平均の長期チャート】
日経平均の長期チャート

そして日本の株式インデックス指数であるTOPIXも、長期チャートで見た場合右肩上がりとはいかず、何度も上下を繰り返しています。

【TOPIXの長期チャート】
TOPIXの長期チャート

このように日経平均と比べるとS&P500は高いパフォーマンス性と安定性があることが分かります。そのため多くの投資家から人気を集めているのです。

S&P500の買い方は?

S&P500の買い方ですが、S&P500は株式インデックス指数であるため、そのものを購入するというわけではなく、このインデックスに連動した投資信託やETF(上場投資信託)を購入することになります。

こうしたインデックスに連動した投資信託をインデックスファンド(※取引所に上場されているインデックスファンドがETF)といい、対象の指数と連動するように運用されているため、S&P500のインデックスファンドであれば、S&P500が上昇すればインデックスファンドの価格も上昇します。

後ほど当記事で紹介しますが、

S&P500に連動した代表的な投資信託は、「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」「eMAXIS Slim 米国株式」「iFree S&P500インデックス」などがあります。

そしてS&P500に連動した代表的なETFは、米国ETFでは「iシェアーズ・コア S&P 500 ETF (IVV)」「バンガードS&P500ETF (VOO)」「SPDR S&P500 ETF (SPY)」、国内ETFでは「SPDR S&P500 ETF (1557)」「上場インデックスファンド米国株式 (1547)」「NFS&P500ヘッジ無 (2633)」などがあります。

具体的な購入方法

具体的な購入方法は下記のような流れになります。

1) 証券口座を開設

まずは証券口座を開設します。SBI証券やマネックス証券といった通常の株の売買をしている証券口座でOKなので、すでに口座を持っている人は新しく口座を開設しなくても大丈夫です。ただし、取り扱っているインデックスファンドは証券会社によって異なりますので注意しましょう。(※S&P500投資におすすめの証券口座については、後ほど解説します。)

2) 証券口座に入金

証券口座を開設したら、購入に必要な金額を口座内に入金します。入金方法はネットバンキングによる「即時入金」、銀行から通常の振り込みをする「銀行振込」、ゆうちょ銀行から振替入金する「ゆうちょ振替入金」などがあります。入金方法は証券口座によって異なりますので、事前に確認しておくといいでしょう。

3) S&P500に連動した投資信託、またはETFの購入申し込み

口座に入金が反映されたら、購入したい投資信託、またはETFの購入申し込みをします。

投資信託の場合、好きなタイミングで購入する「スポット購入」や、定期的に自動で積み立てる「積立購入」があります(※証券会社による)。積立設定をした後は定期的に自動で資金が引き落とされ、積立購入されます。

ETFは、通常の株式の売買と同じように値動きを見ながら売買することができます。

投資信託とETFについて

「そもそも投資信託やETFって何?」という方のために、簡単におさらいしておきましょう。

投資信託とは

投資信託とは、多くの投資家から資金を集め、まとまった大きな資金を使って運用の専門家が運用する金融商品のことを言います。

S&P500などのインデックス指数と連動することを目指したものを「インデックスファンド」といいます。インデックス指数を上回る、または捉われずに大きな利益を目指すものを「アクティブファンド」といいます。

「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」「eMAXIS Slim 米国株式」などは、S&P500との連動を目指す投資信託なのでインデックスファンドとなります。

ETF(上場投資信託)とは

ETFとは、「Exchange Traded Fund」の略で、日本語で「上場投資信託」という意味になります。

ETFと投資信託は良く似ていますが、投資信託は『非上場』であるのに対し、ETFは『上場』しているというのが大きな違いになります。つまり投資信託(インデックスファンド)を上場させたものがETF(上場投資信託)ということになります。

投資信託は、1日に1回「基準価額(購入する際の基準となる価格)」が計算され、それを元に取引価格が決まりますが、ETFは市場で売買されるごとにリアルタイムで価格が変動します。ETFは証券取引所に上場されているため、通常の株と同じように市場が開いている時間内であれば、リアルタイムに取引をすることができます。

日本では投資信託と比べると、ETFの認知度はまだまだ低い方ですが、海外ではすでに注目されており、今後日本でも注目されていくと予想できます。

S&P500連動の『投資信託』・『ETF』どっちを選べばいい?

S&P500連動の投資信託やETFには、それぞれメリット・デメリットがありますので、自分に合った方を選ぶようにしましょう。

投資信託のメリット

初心者でも投資しやすい

投資信託は運用をプロに任せることができるので、知識やスキルがあまりない初心者でも投資しやすいというメリットがあります。

さらに自動積立サービス(証券口座による)を利用して最初の簡単な設定さえ済んでしまえば、あとは自動で資金が引き落とされ定期的に積立購入されます。このように運用の手間を減らすこともできるので、普段仕事や家事で忙しい人でも取り組みやすいです。

運用コストを抑えられる

投資信託は運用をプロに任せるため、投資信託を管理・運用してもらうための経費として信託報酬を支払うことになりますが、S&P500連動型のような投資信託(インデックスファンド)は、一般的な投資信託(アクティブファンド)よりも費用が低く設定されていることが多いです。なぜならインデックスファンドは市場平均に連動させる受け身の運用手法で良いのに対し、アクティブファンドは市場平均を上回る利益を得るためにより調査・分析が必要になるため、インデックスファンドの方が費用が低く設定されていることが多いのです。

また、つみたてNISAなどの非課税口座を利用することで、非課税メリットを活かすことも可能です。

分散投資になる

投資信託商品というのは国内外の株式や債券、不動産などの様々な金融商品の詰め合わせのようなものです。S&P500に連動する投資信託であれば、S&P500に連動するように複数の銘柄を詰め合わせた商品となっています。

そのため投資信託を一つ購入するだけで、複数の銘柄に分散投資するのと同じことになり、損失リスクの回避に繋がります。

投資信託のデメリット

短期的には大きな利益が期待できない

インデックス指数と連動することを目指しているため、市場平均以上に利益を見込むことはできません。値動きは極端に変動することはあまりなく、緩やかになる傾向にあります。

そのため長期的にコツコツと利益を伸ばしていくのには向いていますが、短期的に大きな利益を狙うのには向いていません。

投資のスキルが上達しにくい

投資信託は運用を専門家に任せてしまうので、個別銘柄について情報を収集したり、売買のタイミングを見極めるようなことをする必要がありません。

そのため投資のスキルが上達しにくいというデメリットがあります。

ETFのメリット

リアルタイムで取引が可能

ETFは通常の株式と同じように、リアルタイムで価格が変動します。そのため、取引時間内であれば値動きを見ながら自分の好きなタイミングで売買することができます。

ある程度株式投資の経験がある方であれば、馴染みやすいと言えるでしょう。

値動きが分かりやすい

投資信託は1日に1回基準価額が計算されて、翌日にならないと取引価格が決まりません。しかしETFはリアルタイムで価格が変動し相場状況がその場で分かるため、値動きが分かりやすいです。

分散投資も簡単

ETFは株価指数に連動することを目指しているため、その指数を構成する複数の銘柄の詰め合わせ商品となっています。

そのため投資信託同様、ETFを一つ購入することで複数の銘柄に分散投資するのと同じことになり、損失リスクの回避に繋がります。

買付手数料無料の銘柄も

ETFを購入する際、買付手数料が発生するケースは多いですが、SBI証券や楽天証券のように、証券会社によっては買付手数料が無料のS&P500連動ETFを取り扱っている場合があります。買付手数料無料の対象になっているETFは証券会社によって異なりますので確認してみるといいでしょう。

ETFのデメリット

自動積立投資ができない

基本的にETFは投資信託とは異なり、自動積立で購入することができません。

そのため「毎月定額で自動的に積立投資をしたい」という方にはあまり向かないと言えるでしょう。

マネックス証券の「マネックスアドバイザー」を利用すれば、ETF自動積立のサービスを受けられますが、利用料が発生します。

取引ごとに手数料がかかる

ETFは通常の株式と同じように売買できるため、株式と同様に取引ごとに売買手数料がかかります。ただし、メリットの時に触れましたが、買付の場合は手数料が無料となるケースもあります。手数料は証券会社によって異なりますので確認するようにしましょう。

分配金が自動で再投資されない

投資信託の場合、運用で得た利益(配当金や利息など)を自動で再投資することができるため、投資家自身で何もしなくても複利効果を狙った長期運用が可能です。

しかしETFは分配金を自動で再投資する仕組みがなく、決算時に全て現金で支払われてしまうため、再投資をしたいといった場合には投資家自らが手動で新たな買い付けを行わなければなりません。

つみたてNISA対応の銘柄が少ない

つみたてNISAとは少額から始められて、運用益や分配金が最長20年、年間40万円までが非課税となる投資制度です。

しかし、つみたてNISA対応のETF銘柄は全7本と少なく、その内S&P500連動ETF銘柄は「上場インデックスファンド米国株式 (1547)」の1本のみとなっています。(※2021年11月27日時点)

iDeCoでの運用ができない

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、自分が拠出した掛金を、自分で運用して資産を形成し、60歳以降に老齢給付金を受け取ることができる年金制度です。iDeCoは掛金が全額所得控除であったり、運用益は非課税で再投資できたり、年金や一時金を受け取る際も大きな控除があったりと、多くのメリットがあります。

しかしiDeCoは、投資信託・定期預金・保険商品などが対象商品であり、ETFは対象外であるため、iDeCoでの運用はできません。

S&P500連動のおすすめ投資信託

SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

世界最大級の運用会社「バンガード」と、日本最大級の金融グループ会社「SBIアセットマネジメント」が提供するS&P500連動の投資信託です。

実績や信頼性は抜群で、流動性も十分です。低コストで運用できるので、コストを抑えたい方にもおすすめです。SBI・V・S&P500インデックス・ファンドはSBI証券で購入することが可能です。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

三菱UFJ国際投信が運用する投資信託です。

eMAXIS Slimシリーズは『業界最低水準の運用コストを、将来にわたってめざし続ける』をコンセプトとしており、いつでも業界最安値の信託報酬を期待することができます。純資産残高も大きく、多くの投資家から資産を預かっている人気のファンドです。

iFree S&P500インデックス

大和アセットマネジメントが運用する投資信託です。

iFree S&P500インデックスは、S&P500のおよそ2倍の値動きを目指して運用しています。コストは上記と比べると若干高いですが、レバレッジをかけて大きなリターンを狙いたいという方には向いています。

S&P500連動のおすすめ米国上場ETF

ニューヨーク証券取引所に上場している代表的なS&P500連動ETFを紹介します。

iシェアーズ・コア S&P 500 ETF (IVV)

ニューヨークに本社を持つ世界最大級の運用会社「ブラックロック」が運用するETFです。

実績や信頼性ともに申し分なく、信託報酬も業界最安値となっておりコストを抑えた運用をすることが可能です。

バンガードS&P500ETF (VOO)

低コストを売りとする世界最大級の運用会社「バンガード」が運用するETFです。

信託報酬は「iシェアーズ・コア S&P 500 ETF」と同程度で業界最安値となっておりコストを抑えた運用をすることが可能です。運用利回りが高く、効率良く運用できるため個人投資家からの人気も高めです。

SPDR S&P500 ETF (SPY)

米国ステート・ストリート銀行の資産運用部門である「ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ」が運用するETFです。

米国初のETFであり、まさにETF業界のパイオニア的な存在です。コストは若干上記ETFと比べると高めですが、総資産残高が高く、流動性も高いメリットがあります。

Direxion デイリー S&P 500 ブル3倍 ETF (SPXL)

レバレッジドおよびインバースETF商品を提供する運用会社「Direxion」が運用するETFです。

S&P500のおよそ3倍の値動きを目指して運用しています。コストは高めですが、レバレッジをかけている分上手くいけば大きな利益を期待できます。しかし値下がりしてしまった場合は損失が大きくなるリスクがあるので注意が必要です。

S&P500連動のおすすめ東証上場ETF

東京証券取引所に上場している代表的なS&P500連動ETFを紹介します。

SPDR S&P500 ETF (1557)

SPDR S&P500 ETFは、米国初のETFとして米国上場を果たしましたが、2011年に日本にも上場したことで、東京証券取引所でも取引できるようになりました。

証券コードは「1557」であり、日本円で通常の株式と同様に売買できますが、流動性が低いというデメリットがあります。

上場インデックスファンド米国株式 (1547)

日本円換算したS&P500に連動するETFで、日興アセットマネジメントが運用しています。

証券コードは「1547」であり、日本円で通常の株式と同様に売買できますが、こちらも米国のETFと比べると流動性が低いというデメリットがあります。

NFS&P500ヘッジ無 (2633)

日本円換算したS&P500に連動するETFで、野村アセットマネジメントが運用しています。正式名称は「NEXT FUNDS S&P 500 指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信」です。

2021年3月31日に上場したばかりですが、信託報酬率は東証上場のETFとしては最安水準となっているのが特徴です。

S&P500投資におすすめの証券口座

S&P500投資におすすめの証券口座を紹介します。

売買手数料や、取り扱い銘柄は証券会社によって異なりますので、証券口座選びも重要になってきます。

SBI証券

SBI証券は、業界最多の口座開設数を誇る人気のネット証券口座です。

取り扱い銘柄数もトップクラスで、S&P500連動の投資信託・ETFも豊富です。バンガードS&P500ETFなどの米国ETFの買付手数料が無料に設定されているなど、手数料が安いのも大きな特徴です。

つみたてNISA対象の投資信託銘柄も多く、積立設定では「毎日・毎週・毎月」といったコースから選択できたりと、利便性にも長けています。

マネックス証券

米国株取引といえば欠かせないのがマネックス証券です。

米国株銘柄が非常に豊富で、S&P500連動の投資信託・ETFも豊富に揃っています。米国株手数料も最安水準となっており、NISA口座であれば米国株買付手数料がキャッシュバックによって実質無料となります。

投資信託の「毎日つみたて」なら、購入時申込手数料0円で毎日100円からコツコツとS&P500で資産形成できます。

楽天証券

楽天証券も投資信託やETFの取り扱いが豊富です。

楽天証券のNISA口座は、海外ETFの買付手数料が無料で、全ての投資信託の買付手数料が無料となっています。また、日本株の売買手数料も無料です。

つみたてNISAであれば、100円から1円単位で積立投資が可能なので気軽に始めることができます。楽天カードのクレジット決済を利用することで、100円につき1ポイントの楽天ポイントが貯まるのも大きなメリットです。楽天銀行と楽天証券の口座との連携サービス「マネーブリッジ」を利用することでも楽天ポイントが貯まります。

貯まった楽天ポイントを使って投資信託や国内株式などの購入をすることもできます。

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