IPOセカンダリー投資とは?銘柄選びのコツや売買タイミング・注意点などを解説

IPOセカンダリー投資とは?銘柄選びのコツや売買タイミング・注意点などを解説

IPO投資は初心者にも利益を出しやすい人気の投資手法である一方、抽選に当たらないと購入できません。さらに当選倍率が高いため、購入するのは非常に困難です。

そこで注目したいのが「IPOセカンダリー投資」です。

IPOセカンダリー投資であれば、誰でも購入することができ、大きな利益を狙えるチャンスがあります。ただしその反面大きな損失を生むリスクもあるので注意が必要です。

当記事ではそんなIPOセカンダリー投資とは何か、銘柄選びのコツや売買タイミング・注意点などを解説します。

IPOセカンダリー投資とは

IPO(新規公開株式)投資は初心者でも簡単に利益を出しやすく、多くの投資家から人気を集めている投資手法ですが、抽選に当たる必要があり、当選倍率が高いため簡単に購入することができません。

しかし、そんなIPO株も上場した後であれば、誰でも購入することができます。それを狙った手法がIPOセカンダリー投資です。

つまりIPOセカンダリー投資とは、IPO株が上場した後に投資をする投資手法のことを言います。通常の株と同じように市場で売買するので、誰にでもチャンスがあります。

IPOセカンダリー投資のメリット

IPOセカンダリー投資には以下のようなメリットがあります。

大きなリターンを得られる可能性がある

上場直後の銘柄は、通常の銘柄と比べると値動きが激しくなる傾向にあるため、大きな利益を得られる可能性があります。

上手く上昇気流に乗ることができれば、株価が2倍・3倍となるケースもあります。

銘柄選びの時間を節約できる

国内で上場している企業の数は非常に多いため、通常の株に投資をしようとすると、どの銘柄に投資をするべきか選ぶのに時間がかかってしまいます。

一方、新規上場する企業の数は、ばらつきはありますがひと月に数社~数十社です。平均すると大体10社前後ほどです。IPOセカンダリー投資は、その新規上場する企業の中から選ぶだけでいいので、銘柄選びの時間を節約することができます。

IPOセカンダリーでの銘柄選びのコツ

事業内容や業績などをしっかりチェック

IPOセカンダリー投資をする際、どの銘柄を選んでもいいというわけではありません。目論見書や有価証券報告書にはしっかりと目を通し、その企業のホームページをチェックするなど、事前に事業内容や業績などを確認するようにしましょう。

初値が高すぎる銘柄は避ける

IPO株はかなりの高確率で公募価格(上場前に販売される価格)よりも、初値(上場後初めて付いた株価)の方が高くなります。しかし初値が公募価格よりも高すぎる場合は避けた方が無難でしょう。

初値が高くなりすぎると割安感が無くなり、利益確定による売り圧力が強くなる傾向にあるため、初値から大きく下落していく可能性が高いです。どうしてもその銘柄を購入したいという場合は、ある程度下落が落ち着いたと見られるタイミングで購入するといいでしょう。

吸収金額が小さい銘柄が狙い目

吸収金額とはIPOによって株式市場から得られる資金の総額のことを言い、「公開株数 × 公開価格」で求めることができます。公開株数とは、新規に株券を発行する株式「公募株式」と、既存の株主が売り出す株式「売出株式」を合わせた数の合計です。公開価格とは、株式を新規に公開した時の公募価格です。

吸収金額が小さいと、市場に出回る株式の数が少ないということになり、投資家の需要が高まります。すると株式の価値が上がりますので、株式を買いたいという投資家も増えて株価の上昇が期待できます。

反対に、吸収金額が大きいと、公開される株式の数が多いということになり、株式の価値が下がり、株式を売りたい投資家が増えて株価が下落する可能性が高くなります。

そのため、IPOセカンダリー投資では吸収金額が小さい銘柄が狙い目だと言えます。

特に吸収金額が10億円未満の場合、小型案件とされ注目されることが多いです。

出来高の少ない銘柄は注意

出来高が極端に少ない銘柄には要注意です。出来高が少ないということは取引をしている人が少ないため、自分が買いたい時や売りたい時に売買できないリスクが高まります。

また、人気が無い銘柄ということもあり、株価がずるずると下落していきやすい傾向にもあります。

公募割れの銘柄を狙う方法も

IPO株は、上場後に初めて付く株価「初値」が、公募価格を下回ることもあります。これを「公募割れ」と言います。

業績好調で今後の成長性を秘めた企業であっても、知名度や人気がないことが理由で公募割れをしてしまうことがあります。

本来、公募価格というのは割安に設定されることが多いので、公募価格を下回るというのは割安な状態である可能性が高いです。

期待値の高い企業であるにも関わらず公募割れした企業の株を購入すれば、かなり割安な価格で仕込むことができるということになります。その後見直し買いが入り、適正な水準まで株価が反発すれば利益を狙えます。さらに、将来的に企業が成長し、注目されるようになれば、大きな利益を狙うことも可能です。

購入するタイミングは?

IPOセカンダリー投資での購入するタイミングについては「初値のタイミング」「上場後、値動きを確認してからのタイミング」の2つになります。

初値のタイミング

まず一つ目の「初値のタイミング」で購入する手法は、短期で大きな利益を狙いたい方におすすめですが、ギャンブル的な要素が強いので注意が必要です。

成長性のある銘柄や公開株数の少ない銘柄などは、初値から株価が上昇しやすい傾向にあるため、短期で大きな利益を狙うことが可能です。人気銘柄ともなれば、初値が付いた後も連日ストップ高になるケースもあります。

ただし、上場後の株価は値動きが激しく、株価が急騰した後は、急落するリスクも高まります。また、初値から株価が上がるかどうかは運要素も強く、初値が高値を付けた場合、そこから大きく株価が下がるリスクがあることを念頭においておかなければなりません。株価が下落に転じたら、素早く利確または損切りをしないと大きな損失に繋がる危険性があります。

上場後、値動きを確認してから

そして二つ目の「上場後、値動きを確認してからのタイミング」で購入する手法は、極力リスクを抑えつつ中長期で利益を狙いたい方に向いており、基本的にはこちらの手法をおすすめします。

人気のIPO銘柄は特に、上場直後は公募価格の何倍にもなり割高になるケースが多いです。公募価格を大きく上回る初値を付けると、売りが優勢となり株価が急落することも珍しくありません。さらにその後もずるずると下落を続けてしまうケースもあります。

ただし中長期で見た場合、成長性のある銘柄であれば、その後値上がりに転じる可能性が高いと言えます。そのため上場してからしばらく期間を経て人気が下火になり、株価が下がって落ち着いてきた局面、すなわち割安になったタイミングで購入するようにすれば、高値掴みをしてしまうリスクを避けつつ、利益を狙うことができます。

IPOセカンダリーのデメリットや注意点

株価の動きを読むのが難しい

IPOセカンダリー投資では、株価の動きを読むのが難しいです。

特に、初値から上昇するか下落するかの予想をするのは非常に難しいです。上場直後、初値から株価が上昇するケースはありますが、当然下落するケースもあります。成長性期待が高く、人気のある銘柄だとしても、必ずしも上場後に株価が上昇するとは限りません。

短期で利益を得るには、それなりのスキルと経験が必要になってきますので、基本的には「上場後、値動きを確認してからのタイミング」で購入し、中長期で利益を狙った手法をとることをおすすめします。

大きな損失を出すリスクがある

通常の銘柄であれば、株価指標や業績、中長期的なテクニカル指標などを確認して割安か割高かの判断ができますが、IPO銘柄は、割安なのか割高なのかといった評価の判断が明確ではないため、短期間で値動きが激しくなる傾向にあります。

そのため、短期で大きな利益を狙うことができる一方、反対に大きな損失を出してしまうリスクもあります。常に高値掴みをしてしまう可能性があることを念頭に置き、損切りラインを設定しておくなど、リスクに対する備えをしっかりとしておくことが大切です。

ロックアップの有無に要注意

IPOセカンダリー投資をする際は、ロックアップの有無や条件(期間・株価)に注意するようにしましょう。

ロックアップとは、会社の創業者や役員、ベンチャーキャピタルなど、IPO前から株を保有する株主に対し、『上場してから一定期間、または一定の株価になるまで保有する株式を市場で売却してはいけない』という制限のことを言います。例えば「上場後180日経過まで」「公募価格の2倍に達するまで」といった解除の条件が設けられています。

なぜこのような制限があるかというと、こうした株主たちは大量に株を保有しており、利益を得ようとして上場後に保有株が売却されると、大量の株が売られることになるため、株価が一気に下落してしまいます。すると、上場後に株を購入した一般投資家たちが大きな損失を抱えてしまうことになります。この事態を避けるために、ロックアップと呼ばれる制限が設けられているのです。

ロックアップの有無や条件等は、IPO時に開示される有価証券届出書・目論見書等に掲載されています。ロックアップが解除されると株価が大暴落する可能性がありますので、必ず事前に確認するようにしましょう。

証券口座を開設しよう

IPOセカンダリー投資は証券口座があれば、誰でも行うことが可能です。まだ証券口座を持っていない方はさっそく証券口座を開設しましょう。

口座の開設はインターネット上で簡単に手続きできます。

おすすめ証券会社

DMM株

DMM.com証券が提供するDMM株は、国内株式の取引手数料が業界最安値に設定されており、そして米国株の手数料は『0円』と驚きの設定となっています。

これまで多くのネット事業を手掛けてきたDMM.comグループということもあり、取引ツールが使いやすいのも大きな特徴で、スマホアプリでは「かんたんモード」と「ノーマルモード」の切替が可能です。

PCツールもスマホアプリも米国株取引に対応しているので、米国株取引をしたい人にもおすすめです

口座開設のスピードの早さも大きなメリットで、最短でその日のうちに取引を開始することも可能です。

楽天証券

楽天証券といえば「MARKETSPEED(マーケットスピード)」などのツールの使いやすさと信頼性の高さで定評があります。

株取引額に応じて「楽天スーパーポイント」がもらえるので、楽天市場などの楽天サービスを利用している人におすすめです。

また、楽天銀行とマネーブリッジで連携すると預金金利が5倍になるというのも大きなメリットです。

楽天の会員アカウントを持っていれば、最短30秒で口座開設が完了します。

まとめ

IPOセカンダリー投資は、誰でも購入することができ、大きな利益を狙えるチャンスがある反面、株価の動きを読むのが難しく、大きな損失を出すリスクがあります。

企業分析はしっかり行い、今後業績は伸びていきそうか、将来的に成長していきそうか等、株価が上がるかどうかを判断して慎重に投資を行う必要があります。

特に上場直後の値動きを予想するのは非常に難しく、短期で利益を得るにはそれなりのスキルと経験が必要になってきます。そのため初心者の内は、上場した後、値動きを確認してから購入し、中長期目線で利益を狙うようにした方が良いと言えるでしょう。

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