テンバガー候補銘柄の見つけ方は?
株価が10倍以上に上がった銘柄をテンバガーと言います。
100万円で購入した株が1,000万円に、1,000万円で購入した株が1億円になるわけですから夢がありますよね。
ただし数ある銘柄の中からテンバガーを達成する銘柄を見つけ出すことは、そうたやすいことではありません。ただ闇雲に探しても見つけることはできないでしょう。
そこで当記事ではテンバガーを達成しやすい銘柄の条件や見つけ方、注意点などについて分かりやすく解説します。
テンバガーとは
テンバガーとは株価が10倍以上になった銘柄のことを言います。10倍株や大化け株と呼ばれることもあります。
テンバガーという言葉は、投資家ピーター・リンチ氏によって広まったと言われています。「bagger(バガー)」は野球のスラングで「塁打」を意味しており、直訳すると「10塁打」となり、通常ではありえない現象であるという意味で使われるようになりました。
テンバガー候補銘柄を見つけるための条件
テンバガー銘柄は主に以下に挙げる特徴や条件に当てはまることが多いです。
もちろんこれら全ての条件に合致する必要はないですし、また、いくつかの条件に合致しているからといって必ずしもテンバガーになるわけではありませんが、闇雲に探すよりかは圧倒的に可能性が高いと言えるでしょう。
証券会社で用意されているスクリーニングツールなどを用いて、下記条件でテンバガー候補を絞り込んでいくといいでしょう。
時価総額300億円以下
時価総額は現在の株価に発行済株式数をかけて算出されたもので、企業評価をする上で役立つ指標です。
時価総額が大きいほど、会社の価値が高いと評価されているということであり、反対に時価総額が低いと、会社の価値も小さいと評価されていることになります。
要は時価総額の低い銘柄というのは、まだまだ売上も利益も少ない規模の小さな会社であり、今後大きく伸びる余地があるということです。そのため何か好材料が出ることで大きく化ける可能性を秘めています。目安として300億円以下で絞り込むのがいいでしょう。
ただ時価総額が小さいほど大化けする可能性がありますが、あまり小さすぎると単に市場での信頼性が低いだけの可能性もあるので注意しましょう。
自己資本比率50%以上
自己資本比率とは、自己資本が総資本の何%を占めるかを示した指標です。
自己資本は返済する必要がない資金のことですので、自己資本比率が高いということは財務状態が安定していて、自由度の高い経営が可能であると判断できます。
テンバガーになるような成長企業を探す際には、この自己資本比率の数値は非常に重要です。
自己資本比率は業界・業種などによって異なってくるので一概には言えませんが、50%以上を目安にするといいでしょう。
売上&利益が伸びている
成長性の高い企業であるかどうかを見極めるには、売上や利益が伸びているかのチェックが欠かせません。
まず、売上の伸びを見るには「増収率」を確認します。増収率とは前期の売上高に対してどれくらい売上が増加したかを表した指標になります。この増収率が最低でも10%以上あることが条件です。20%以上あれば十分成長力があると言えます。
また、売上だけでなく利益も伸びている必要があるので、「売上高営業利益率」も見ます。売上高営業利益率とは、売上に対して本業でどれくらいの利益が出ているかを表した指標になります。この売上高営業利益率が10%以上を目安にするといいでしょう。
増収率と売上高営業利益率の伸びは事業が順調に成長していることを示しており、右肩上がりで継続して高い企業は急成長しやすいです。
上場から5年以内
上場間もない時期というのは、株式公開により投資家から調達した資金を元にして事業を拡大させ、一気に売り上げを伸ばしていきやすい時期だと言えます。
特に新興企業は、まだまだ成長途中で伸びしろが大きいため、株価が何倍にも伸びる可能性を秘めています。
そのため、上場から5年以内の新興企業を目安に探すのは有効です。
株価が800円以下の低位株
これから株価が急上昇する銘柄は、低位株であることが多いです。
低位株とは、株価水準が低い銘柄の事を言います。具体的に何円以下の銘柄が低位株であるという明確な定義はありませんが、テンバガー候補を探す場合には800円以下を目安にするといいでしょう。
また、中にはボロ株と呼ばれる、株価が10円や20円といった超低位株も存在します。こうしたボロ株は、株価が10倍以上の大化けをする可能性を秘めていますが、上場廃止や倒産のリスクも高いので要注意です。
話題性・旬なテーマ
話題性やテーマ性も株価を大きく上げる要因になります。
ニュースなどのメディアに取り上げられるような話題性のある企業や、人工知能や半導体といったその時代における旬なテーマを扱っている企業は、利用者が増えて業績が急拡大する可能性があります。そして多くの投資家から注目を集め人気銘柄となり、株価の大きな上昇も期待できます。
日頃からどんなものが流行っているのか、これからどんなものが流行りそうか、情報をいち早くキャッチできるよう常にアンテナを張り巡らせておくようにするといいでしょう。
創業社長で筆頭株主
社長が創業者の場合、自身で立ち上げた会社ですから、会社への愛着があることは言うまでもなく、稼げば稼ぐほど自身の利益が増えるわけですから、事業拡大への意欲も非常に強いものになります。
また、社長が筆頭株主であれば、経営の意思決定から実行までスピーディに行うことが可能で、会社規模や事業の拡大を迅速に行っていくことができます。さらに株価が上がれば自身の資産が増えるわけですから、業績を伸ばして株価も上げたいという熱意が違います。
このように創業社長で筆頭株主の場合、成長性が高く、それに伴い株価も上昇しやすいと言えますが、社長が経営者として優秀でなければなりません。とはいえ優秀かどうかの判断はなかなか難しいので、ホームページの社長メッセージやポートレートなどをチェックして、社長の人柄や事業展望、成長志向などを確認することが大切です。
身近な商品やサービスから探すのも手
身近な商品やサービスの中に、テンバガーになるような銘柄が隠れていることもあります。
過去には100円ショップの「セリア」や衣料品ブランドユニクロの「ファーストリテイリング」などがテンバガーを達成しています。
自分が良く使う商品の会社や、誰もが知っている会社などの中から探してみるのもいいでしょう。
テンバガー投資の注意点
テンバガー投資をする際には、知っておくべき注意点があります。
株価急落のリスクがある
テンバガー候補の銘柄は、時価総額が小さいため値動きが激しくなりやすい傾向にあり、豊富な資金を持つ投資家などによって多めの売買注文が入ると上下に激しく値が動くことになります。
また、好材料や旬な話題が出れば多くの買い注文が期待できますが、業績の伸びが鈍化したり旬のテーマが変わってしまったりすると人気がなくなり、一気に売り叩かれてしまいます。
つまり株価が急上昇するチャンスがある反面、株価が急落するリスクも大きいということです。テンバガー候補銘柄に安易に飛びつくと、大きな損失を生み出す可能性があります。
基本的にテンバガー投資は長期投資なので日々の値動きを気にしすぎる必要はありませんが、大きな損失を生み出すリスクを避けるために、「〇〇円以上損失が出たら損切りをする」など、想定とは違う方向に株価が動いた場合のルールを決めておく必要があります。
出来高が少ない場合がある
まだまだ注目されていない低位株で放置されているような銘柄は、出来高が極端に少ないケースが多いです。
出来高があまりにも少ないと、なかなか希望通りの価格で取引ができません。
例えば、ある銘柄を100円で買いたいと思っても、100円で売りたい人がいなければ売買は成立しません。一番安く売り注文を出している人が102円だった場合、100円で買い指値注文を出しても、売買は成立しません。もちろん、その後100円での売り指値注文や売り成行注文を出す人がいれば100円で売買が成立しますが、出来高の少ない不人気銘柄では、なかなか売買が成立しないことが多いです。
そのため、値段を上げて買ったり、値段を下げて売ったりと、不利な価格で売買しなければならないこともあります。
また、すぐに売買をしたいからと言って成行注文をすると、思いも寄らぬ高値で買ったり、安値で売ったりしてしまうリスクがあるので注意しましょう。
上場廃止や倒産のリスクがある
時価総額が小さい銘柄は、株価が急上昇するチャンスがある反面、株価が急落するリスクがあるとすでに述べましたが、最悪の場合、上場廃止や倒産のリスクがあるということも忘れてはなりません。
そのため、1つの銘柄に集中して投資をするのではなく、いくつかの銘柄に分散して投資をするなど、リスク分散を徹底して自身の資産を守るようにしましょう。
スクリーニング機能が充実している証券会社
テンバガー候補の銘柄を探すには、あらゆる条件で銘柄を絞り込むことができるスクリーニング機能を活用するようにしましょう。
ここではスクリーニング機能が充実している証券会社を紹介します。
auカブコム証券
auカブコム証券には、「カブナビ®」と呼ばれるスクリーニング機能があります。
200を超える詳細な条件設定が用意されており、検索結果は企業情報からチャート、財務等をグラフィカルに表示するので分かりやすいです。
楽天証券
楽天証券には、「スーパースクリーナー」と呼ばれるスクリーニング機能があります。
時価総額、売上高営業利益率、PER、ROEなど、たくさんの検索条件から絞り込むことが可能です。「日経平均の値上り率上回り銘柄」など他社ではあまり見かけないような独自の条件もあります。
また、米国株のスクリーニングにも対応しています。
SBI証券
SBI証券のスクリーニング機能も、「財務」「コンセンサス」「株価パフォーマンス」「テクニカル」「その他」といった様々な条件での検索が可能です。
検索結果一覧から、該当銘柄詳細分析が可能なので比較検討しやすいです。コンセンサス予想も確認出来て便利です。
まとめ
テンバガーを達成しやすい銘柄の見つけ方や注意点などを解説しました。
テンバガー候補銘柄は、ただ闇雲に探してもそう簡単に見つかるものではありませんが、当記事で紹介した条件や特徴を持つ銘柄を絞り込むことで、効率良く見つけることができます。
ただしテンバガー投資は一攫千金を狙えるビッグチャンスがある反面、大きな損失を生み出すリスクがあることをしっかり覚えておきましょう。そのため一銘柄に集中して投資をするのではなく、銘柄を分散させるなどして、万が一に備えておくことが大切です。
また、短期間でテンバガーを達成することは稀なため、日々の値動きにはあまり神経質にならずに、基本的には長期的な視点で投資を行い、利確や損切りのタイミングも見極めるようにしましょう。
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