分散投資の重要性とは?メリットやデメリットなどわかりやすく解説!
投資にリスクは付き物です。どんなに経験のある投資家でもリスクをゼロにすることはできません。起こり得るリスクを予測し、回避するように備えることが大切になってきます。
そんなリスクヘッジの手段として有効なのが「分散投資」です。
当記事では分散投資とは何か、具体的にどんな方法があるのか、メリットやデメリットなどわかりやすく解説します。
分散投資とは
分散投資とは、投資先を一つに集中するのではなく、投資先や投資するタイミングを分散して投資する手法のことを言います。
例えば、一つの銘柄だけに集中して投資をした場合、その会社が業績不振などに陥って値下がりしてしまうと、損失が増える一方です。しかし異なる業種の銘柄を複数購入しておけば、どれか一つの銘柄が値下がりして損失が出てしまっても、他の銘柄が値上がりして利益が出れば、損失をカバーすることができます。
ただし複数の銘柄を購入したとしても、景気が悪化したり経済動向や国際情勢などの要因によって、株式市場全体が暴落してしまった場合、全ての銘柄が値下がりして大きな損失となってしまう可能性があります。
そのため、株以外の複数の金融商品に分散して投資をすることも大切です。株式市場の下落相場に強いと言われている金や債券などの金融商品を組み合わせることで、リスクを分散させることができるのです。
また、一つの商品でも一度にまとめて投資するのではなく、投資をするタイミングを分けることでも、投資先の価格変動リスクを抑えることができます。
このように分散投資は、リスクを分散しながら、安定した収益を期待することができるので非常に重要であると言えます。
分散投資方法の種類
具体的な分散の方法には、「銘柄の分散」「商品の分散」「国や地域の分散」「時間の分散」の大きく4つがあります。
それぞれ詳細を見ていきましょう。
銘柄の分散
株式投資をする際に、1社だけに集中して投資をするのではなく、複数の会社に分散して投資をする方法です。A社だけでなく、B社、C社、D社の株も保有するといったイメージです。
ただし、同じ業種の銘柄に分散させても、どれも同じような値動きをする可能性が高いので、値動きの異なる複数の業種の銘柄を組み合わせて分散投資をすることが、上手にリスク分散するポイントになります。
商品の分散
株式だけでなく、債券、投資信託、金、原油、不動産、現預金など、複数の金融商品に分散してリスクを抑える方法です。
一般に金や債券は株式市場の下落相場に強いと言われており、こうした株式とは異なる値動きをする傾向にある金融商品を組み合わせることで、株式市場全体が下落するような局面でも、損失をカバーして安定した利益を得ることが可能になります。
国や地域の分散
様々な国や地域の株式、債券、通貨などへ分散して投資をする方法です。
投資先は国内だけではありません。国内株式だけでなく、外国株式や外国債券などへ投資をして、国や地域を分散させることでリスク分散が図れます。
例えば日本国内に集中して投資を行っていると、日本の景気が悪化した場合などで大きな損失を受けてしまう可能性があります。しかし、複数の国や地域に分散して投資を行っていれば、たとえ日本が不景気になったとしても、海外が好況であれば、国内で受けた損失をカバーすることができます。
また、「円」だけでなく「米ドル」や「ユーロ」など、複数の海外の通貨に投資をすることも有効です。
時間の分散
投資をするタイミングを複数回に分けることで、投資先の価格変動リスクを抑える方法です。
株式や投資信託といった金融商品の価格は日々変動しています。安い時に購入して高い時に売却するのが理想ですが、いつが安い時でいつが高い時なのかは誰にも分かりません。
タイミングを見誤って一度にまとめて購入した時が高値だった場合、大きな損失を出してしまう可能性があります。
そこで、一度にまとめて大量に投資をするのではなく、時間を空けて複数回に分けて投資をすることで、価格変動によるリスクを抑えることができます。
一定の期間毎に一定の額で購入し続ける方法を「ドルコスト平均法」と言い、主に積立投資で用いられます。
分散投資のメリット
分散投資には主に以下のメリットがあります。
投資リスクを抑えることができる
分散投資を行う一番のメリットは、リスクを抑えながら、安定した利益が期待できる点です。
1つの投資先に資産を集中させると、値上がりした時は大きな利益になりますが、反対に値下がりした時には大きな損失となってしまいます。こうしたリスクを避けるために分散投資が有効です。
きちんと分散投資をしておけば、仮に一つの投資先の価値が下がって損失が出たとしても、他の投資先の価値が上がって利益を得ることができれば、損失分をカバーすることができます。
売買タイミングを気にしなくて済む
投資するタイミングを分散させることで、売買タイミングに左右されにくくなるため、売買タイミングを見極める必要がなくなります。
株式や投資信託などの金融商品の価格は日々変動しており、「昨日買ったものが今日になったら大きく値下がりしてしまった。」などというケースや、反対に「昨日買おうと思ってたものが今日になったらすごく高くなってしまった。昨日買っておけばよかった…」といったケースは良くあることです。
相場の動向を100%予測することは不可能であり、投資のプロでも売買タイミングを見誤ることがあります。特に投資初心者にとってはどのタイミングで売買すればいいのか判断が難しいでしょう。
しかし、時間を空けて複数回に分けて投資をして長期的に利益を狙うようにすれば、日々の値動きを過敏にチェックしたり、短期的な売買タイミングを気にする必要がなく、価格変動リスクを抑えることができます。そのため、こまめに相場をチェックできない人や投資初心者でも安心して利益を狙えます。
分散投資のデメリット
分散投資にはメリットだけでなくデメリットもあるので、しっかり把握しておくようにしましょう。
主なデメリットとして以下のようなものがあります。
短期的に大きな利益を得るのは難しい
分散投資はリスクを抑えられるメリットがある反面、リターンも分散されてしまうというデメリットがあります。
例えば、100万円の資金があり、1つの銘柄を100万円分全て購入したとします。この場合、株価が上昇して10%の利益が出たタイミングで売却すれば、「10万円」の利益が得られます。
しかし5つの銘柄をそれぞれ20万円ずつ分散して購入した場合、1つの銘柄で10%の利益が出たとしても「2万円」の利益にしかなりません。他の残りの4つの銘柄の株価も同じように上昇すればいいですが、そう上手くいくことは稀であり、実際には少ししか株価が上昇しない銘柄や、株価が下落してしまう銘柄もあることでしょう。
このように、分散投資は短期的に大きく稼ぐことは難しい投資手法であるため、短期的に大きな利益を狙いたい人や、少ない資金で大きな利益を狙いたい人にとっては不向きだと言えるでしょう。
投資先の管理が大変
分散投資は複数の投資先に分散して投資するため、それぞれの投資先をしっかり把握しておく必要があります。しかし投資先が多すぎると管理をするのが大変になります。それぞれの投資先の運用状況を適切に管理できていないと、利益を得るチャンスを逃してしまう可能性があります。
このように投資対象が増えるほど管理が大変になり、リスク管理するのも難しくなるというのは、分散投資のデメリットだと言えます。
分散投資のポイント
分散投資は、複数の投資先に分散させれば何でもOKというわけではありません。
せっかく分散させても、同じような値動きをするものばかりではリスクを分散させたことにはなりません。分散する時は、値動きが異なるものを組み合わせるのがポイントになります。
例えば株式投資であれば、『株価の変動が比較的安定している食料品業界の銘柄と、成長が期待できる情報通信業界の銘柄を組み合わせる』、『円高に強い業界の銘柄と、円安に強い業界の銘柄を組み合わせる』、『日本株だけでなく、米国株や中国株の銘柄も組み合わせる』、といった方法があります。
そして金融商品も一つに偏らないようにすることもポイントです。いくら株式の業界を分散させていても、市場全体が下落するような局面では、全ての業界の銘柄が下落してしまうケースもあります。そのため株式だけでなく、投資信託や債券、金、不動産といった他の金融商品を組み合わせることも大切です。
まとめ
分散投資の方法やメリット・デメリットなどについて解説しました。
投資にはリスクがつきものですので、大切な資産を守るために、リスクを分散させた投資を心掛けることが大切です。
分散投資でリスクを抑えて安定した資産運用を目指しましょう。
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