GU(ギャップアップ)とは?なぜ発生する?ギャップアップを活用した投資法を解説
株式投資に関するネットの記事や掲示板、SNSの投稿などを見ていると、「GU」という単語を目にすることがあるかと思います。
GUとは「ギャップアップ」の略語ですが、どんな意味があるのでしょうか。
当記事では、GU(ギャップアップ)とは何か、なぜ発生するのか、ギャップアップを活用した投資法等、初心者にも分かりやすく解説します。
GU(ギャップアップ)とは
GU(ギャップアップ)とは、前日の終値と比べて当日の始値が大きく値上がりした価格で寄り付く(始まる)ことを言います。(※ギャップは前日終値と当日始値の価格差のことであり、「窓」と呼ばれることもあります。)
株価チャートで見ると、前日のローソク足(日足)よりも当日のローソク足が上に大きく乖離した状態になるため、「上に窓を開ける」「上放れ」などと呼ばれることもあります。
ギャップアップするのはなぜ?
GU(ギャップアップ)がなぜ発生するかというと、夜間や昼休みなどの取引時間外に買い注文が殺到するためです。
当日の始値は、取引開始までの注文状況によって決まるため、寄り付きまでに買い注文が殺到するとギャップアップします。
買い注文が殺到する理由は様々ですが、取引時間外に好材料のニュースやイベントが発生すると、買い注文が殺到しやすくなります。
企業のIR(決算発表など)は、通常、取引時間以降に行われることが多く、増収増益や配当増額などのIRを発表した場合、その株を買いたい人が増え、買い注文が殺到することがあります。
また、個別株には特に材料が無くても、外部要因によって買い注文が殺到することもあります。例えば、米国株式市場の影響です。日本の株式市場は、米国の株式市場の影響を受けやすい傾向にあります。日本の夜間に開いている米国株式市場全体が大きく上昇した場合、日本株もその影響を受けて翌営業日にギャップアップすることがあります。
ギャップアップを活用した投資法
基本的にギャップアップを活用した投資法としては、窓開けした方向への順張りと、窓埋めすることを狙った逆張りの2通りがあります。※窓埋めとは、株価がギャップアップ前の元の水準に戻ることをいいます。
相場状況などに応じて、どちらのトレードを行うか判断します。
レンジ相場の高値を上抜けたギャップアップ
レンジ(ボックス)相場において、ギャップアップによってレンジの高値を上抜けた(※これをブレイクアウトという)場合、これを上昇トレンドの転換と捉えて買い注文(順張り)する手法があります。
ブレイクアウト後は、買い方の勢いが強く、新たなトレンドが発生して株価が大きく上昇していくケースが多く、この流れに便乗して利益を得ようとする手法になります。この新しいトレンドのきっかけとなるギャップを「ブレイクアウェイギャップ」と言います。しばらく窓埋めせずに推移していけば、トレンド発生の信頼性が高いと捉えることができます。
ただし、ブレイクアウトは「だまし」も多いので注意が必要です。一旦上昇方向に株価が動いても、すぐに反転して下落方向に動いていき、元の株価水準に戻るケースも少なくありません。
レンジ相場内でのギャップアップ
レンジ相場において、レンジ内でギャップアップした場合は、窓埋めするケースが多いため、窓埋めを狙ってギャップアップ後に売り注文する手法があります。
レンジ内でギャップアップした場合は、ボックス圏で推移しているため窓埋めされやすく、この窓埋めが起こることを予想して、ギャップアップした後に逆張りして利益を得ようとする手法になります。このギャップを「コモンギャップ」と言い、新興市場などの流動性の低い銘柄でよく見られます。
上昇トレンド中のギャップアップ
上昇トレンド中にギャップアップした場合、かなり「買い」の勢いが強く、強力な上昇トレンドであると判断することができます。これを「ランナウェイギャップ」と言い、窓を埋めることなくどんどん逃げるようにトレンド方向へ進むといった意味合いを持ちます。これは上昇トレンドの中間地点で発生することが多く、上昇トレンド開始地点からこのギャップアップ発生地点までの長さの2倍先がトレンドの転換ポイントになりやすいのが特徴です。
ただ、上昇トレンド中のギャップアップには注意が必要です。
上昇トレンド時にギャップアップした場合、さらなる上昇が期待できますが、利益確定をしたい人が増える事にもつながるため、上昇の勢いが衰え、一気に下落に転じることもあります。こうしたトレンドの最終局面で発生するギャップを「エグゾースションギャップ」と言います。
つまり、上昇トレンド中のギャップアップは、トレンドをさらに加速させるのか、トレンド終点のきっかけとなってしまうのか、見分けが難しいと言えます。上昇トレンド中のギャップアップで買い注文(順張り)を行うと、高値掴みになるリスクが高いので要注意です。
トレンドに勢いはあるのか、トレンドの力が弱ってきていないかどうか、テクニカル指標はもちろん、ファンダメンタルズなどで総合的に判断しなくてはなりません。
ギャップアップ投資の注意点
ギャップアップしたからといって必ずしも株価が上昇していくとは限りません。
ギャップアップ投資をする際は、ギャップアップだけで判断するのではなく、なぜギャップアップしたのか、その背景となる材料をしっかり確認する必要があります。
もし、自分の思惑とは反対の方向へ株価が動いた場合には、損失を拡大させないためにも、しっかりと損切りをすることも大切です。
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