乖離率とは?計算方法・目安・活用法・注意点など初心者向けに解説

乖離率とは?計算方法・目安・活用法・注意点など初心者向けに解説

乖離率(かいりりつ)は、株価が移動平均線からどれくらい離れているかを数値化した指標です。

テクニカル分析の1つであり、買われ過ぎや売られ過ぎを計る判断材料として利用されます。

今回はそんな乖離率の計算方法や目安、実際の取引での活用法などを初心者向けに分かりやすく解説します。

乖離率とは

乖離率(かいりりつ)とは、株価が移動平均線からどれくらい離れているかを数値化した指標のことを言います。

本来、株価と移動平均線は近づいたり離れたりをしながら推移していきますが、大きな材料などによって株価が変動し、極端に距離が離れることがあります。

株価が移動平均線から大きく離れると、やがてその距離は修正されて移動平均線内に戻るといった考えに基づいており、株価が移動平均線からどれだけ離れているかで「買われすぎ」や「売られすぎ」を判断することが出来ます。

株価と移動平均線が同じなら乖離率は「0%」となります。株価が移動平均線よりも上にある場合を「上方乖離(プラスカイリ)」と言い、株価が移動平均線よりも下にある場合を「下方乖離(マイナスカイリ)」と言います。

通常、使用する移動平均線は日足チャートであれば5日・25日・75日、週足チャートであれば13週・26週を使用します。

乖離率の計算方法

乖離率は、以下の計算式で算出することが可能です。

乖離率(%) = (株価 - 移動平均線) ÷ 移動平均線 × 100

例えば、株価が「110円」で移動平均線が「100円」だとした場合は、

(110円 - 100円) ÷ 100円 × 100 = 『10%』

となります。

株価が「90円」で移動平均線が「100円」だとした場合は、

(90円 - 100円) ÷ 100円 × 100 = 『-10%』

となります。

ただ、基本的にどの証券会社のチャートでも乖離率を表示させることは可能なので、わざわざこの計算式を覚える必要はありません。

乖離率の活用術

乖離率をどのように活用していけば良いのか、実践的な使い方を紹介します。

逆張りでの活用法

基本的に乖離率は逆張りで使用します。

逆張りとは、株価の方向(トレンド)とは逆の売買をすることを言います。株価が上昇した時に「売り」、株価が下落した時に「買い」を行います。

株価が急騰または急落すると、その状態は長くは続かず、反転して移動平均線へ戻ってくる可能性が高いです。この習性を活かした手法になります。

株価が移動平均線から大きく上に離れると、乖離率は大きくプラスになります。この時に「売り」を行います。その後反転して株価は下落していき、移動平均線へ戻ってきたタイミングで「買い」を行えば利益を得ることが出来ます。

反対に、株価が移動平均線から大きく下に離れると、乖離率は大きくマイナスになります。この時に「買い」を行います。その後反転して株価は上昇していき、移動平均線へ戻ってきたタイミングで「売り」を行えば利益を得ることが出来ます。

トレンドの反転を示す乖離率の目安は?

およそ「10%」乖離したら反転する可能性が高いと良く言われています。

「+10%」乖離したら「売り」の目安、「-10%」乖離したら「買い」の目安となります。ただし、これはあくまで目安であり、絶対的な数値というわけではありません。

乖離率の分布は銘柄によっても異なります。各銘柄の過去の乖離率から、いつも何%乖離したら反転しているのかを確認することで、その銘柄のある程度の乖離率の目安を知ることが出来ます。

順張り(押し目買い)での活用法

続いては順張りでの活用法を紹介します。順張りとは、株価の方向(トレンド)に合わせて売買することを言い、株価が上昇傾向の時に「買い」、株価が下落傾向の時に「売り」を行います。

例えば、上昇トレンド中の銘柄の新規買いをする場合、どのタイミングで買い付けをしてもOKというわけではありません。

一口に上昇トレンド中と言ってもその状況は様々で、株価が移動平均線から大きく上昇していて乖離率が大きくプラスになっている場合もあれば、移動平均線から少ししか上昇していなくて乖離率が少しだけプラスになっている場合もあります。

乖離率が大きくプラスになっている時に新規買いをするのは、高値掴みのリスクがあり非常に危険です。乖離率が大きくプラスになっているということは「買われすぎ」の状態であり、たとえ上昇トレンド中であっても、反動でその後株価が大きく下落するリスクが高いです。

そこで、売買のタイミングを探る方法として乖離率を使用するのです。

上昇トレンド中の銘柄で、株価が移動平均線より上に上昇した後、株価の調整局面で下落してきて移動平均線付近に近づいてきたタイミングで新規買いをします。つまり、プラス乖離率が小さくなった時に新規買いをします。そして、その後株価が移動平均線を割り込まずに再度上昇していくことになれば、うまく上昇トレンドの波に乗ることが出来たということになります。

このように上昇トレンド中の銘柄が一時的に株価が下がったタイミングで買い付けを行い、その後の反発を狙って上手く上昇トレンドに乗る手法のことを『押し目買い』と言います。乖離率は押し目買いをするタイミングの判断材料に役立ちます。

乖離率の注意点

価格変動が小さいと使えない

価格変動が小さいと移動平均線と株価の乖離が広がらないため、乖離率は常に小さくなり、トレードポイントを見つけることが出来なくなります。

万能ではない

乖離率は決して万能ではありません。過去のチャートを検証して、その銘柄のある程度の傾向を掴むことは可能ですが、「〇〇%乖離したら必ず反発する」と言い切ることは出来ません。

乖離率だけを鵜呑みにするのではなく、他のテクニカル分析を併用して判断するようにしましょう。

予想が外れたら損切り

予想とは反対の方向へ株価が動いてしまったら、損切りをするようにしましょう。

大損するリスクを減らすために、予想が外れたら素直に損切りをすることが大切です。「〇〇%下がったら損切りする」といった自分なりの損切りルールを作っておくといいでしょう。

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