株式投資におけるリスクヘッジの方法を紹介!大事な資金を守るためにするべきこととは?
今回は株式投資におけるリスクヘッジの方法を紹介します。
株などの投資には、常にリスクが付きまといます。
大切な資金を守るためにも、万が一に備えてしっかりとリスクヘッジの方法を学んでおきましょう。
そもそも株のリスクヘッジとは?
リスクヘッジとは、将来起こりうる様々なリスクに対し、対策を取って備えておくことを言います。
これまで株価が堅調に上昇していたにも関わらず、ひょんなことから株価が暴落してしまい、気づいたら利益が損失に変わっていたなんてことはよくある話です。
また、損失がどんどん拡大してしまい、市場から退場せざるを得ない状況になるケースもあります。
株の世界ではリスクは付き物です。過去にバブル崩壊やリーマンショック、東日本大震災、コロナショックなど、幾度も日経平均全体での暴落が起きています。市場全体だけでなく、個別銘柄においても、企業の業績悪化や不祥事などが原因で暴落が起きることもあります。
こうしたリスクに備え、安定した資産運用をするためにリスクヘッジが必要になってくるのです。
株式投資におけるリスクヘッジの方法を紹介
それでは、株式投資におけるリスクヘッジの方法を紹介します。
損切りを徹底する
最も基本的なリスクヘッジの方法として、損切りがあります。
損切りとは、保有していた銘柄の株価が下落した際(含み損を抱えた状態)に、保有銘柄を売却して損失を確定させることを言います。
損切りをする最大のメリットは、損失の拡大を防ぐことが出来る点です。
例えば、とある企業の株を「1,000円」で100株購入したとしましょう。その後、予想に反して株価は下落してしまい「900円」になりました。「そのうち株価は戻るだろう」と思い、そのまま株を保有し続けますが、その後も株価の下落は続き、株価は購入時の半分の価格「500円」になってしまいました。
この時点で損失額は
500円 × 100株 - 1,000円 × 100株 = -5万円
となり、『5万円』の損失となります。
しかし、もし「900円」に下落したタイミングで損切りをしていれば
900円 × 100株 - 1,000円 × 100株 = -1万円
となり、『1万円』の損失で済んだのです。
このように、損切りをすることで、損失を最小限に抑えることが出来るのです。
また損切りをすることで、手元に資金が残るので、次の投資チャンスに備えることが出来るようになります。損切りをせずに塩漬け状態でいると、資金がそこに拘束され続けてしまいますので、今後絶好の投資チャンスが到来したとしても、指を咥えて見ることしか出来なくなります。
時間分散で購入する
時間分散とは、株を一度にまとめて購入するのではなく、時期を分けて購入することを言います。
現在の株価が最安値だと思って購入しても、その後値下がりして損失が膨らんでしまうことは良くあることです。つまり、いつ最安値でいつ最高値なのかは誰にも分からないのです。
そのため、余力資金を残しつつ、少しずつ株を購入していく戦術は非常に有効です。
例えば、株価が「100円」の銘柄があったとします。その後業績が悪化し、株価はずるずると下がりつづけ株価は「60円」になりましたが、その後は立て直し、株価は「90円」まで戻ったとしましょう。
もし、最初の株価「100円」のタイミングで、一気に1,000株購入していた場合
90円 × 1,000株 - 100円 × 1,000株 = -1万円
となり、『1万円』の損失となります。
しかし、「100円」の時に200株、「90円」の時に200株、「80円」の時に200株、「70円」の時に200株、「60円」の時に200株のタイミングで、分散して購入していた場合、
90円 × 1,000株 - (100円 × 200株 + 90円 × 200株 + 80円 × 200株 + 70円 × 200株 + 60円 × 200株) = 1万円
となり、『1万円』の利益を得られたことになります。株価が下がることを想定し、分散して株価が下がったタイミングで買い増したことで、平均購入単価が下がり、当初購入した価格よりも低い価格で売却しても、利益を得ることが出来たのです。
複数銘柄に投資する
1つの銘柄に資金を集中して投資をするのではなく、複数銘柄に資金を振り分けて投資をするのは、リスクヘッジの有効な手法です。
もし1つの銘柄に資金を集中して投資をしていると、その銘柄が暴落した時に、大きな損失を生み出すことになります。
しかし5つの銘柄に資金を振り分けて投資をしていれば、仮に1つの銘柄が暴落しても、残りの4つの銘柄で利益を出すことが出来れば、損失のカバーをすることが出来ます。
しかし同じ業界・業種内の複数銘柄に分散投資をしても、業界全体が不振に沈んでしまうと、共に株価が下落してしまう可能性が高いです。そのためリスクヘッジとして複数銘柄に投資をする際は、業界や業種は分けた方がいいでしょう。ただ、業界は別でも、グループ企業だったり、業務提携などをしていると、業績不振が連動して共に株価が下落してしまう可能性が高いので注意するようにしましょう。
買いと売りを組み合わせる
株は買いから入るだけでなく、売り(信用取引)から入ることも可能です。「空売り」と呼ばれる取引方法です。
買いから入った場合は、株価が上がれば利益を得られますが、売りから入った場合は、株価が下がれば利益を得られます。つまり、株価の上昇が見込める場合は買いから、株価の下落が見込める場合は売りから入ることで、どのような局面においても利益を狙うことが出来るようになります。
空売りの最大のメリットは下落相場でも利益を得られるという点です。空売りをすれば日経平均が暴落するような局面でも利益を得られます。
買いと売りを併用することは、リスクヘッジとしても有効です。
例えば、現物買いで株式を保有しており、その後株価が下がる可能性が高い状況になったとします。本来、株価の下落が予想される場面では、現物で保有している株を損切りするのが良いですが、含み損が出ていたり、中長期保有で利益を狙いたいなどの理由で、売却したくない場合もあると思います。
そういった際にリスクヘッジとして、現物で保有している株式の同じ銘柄、同じ数量を空売りします。
その後株価が下落した場合、現物株式の損失が発生することになりますが、信用空売りの利益が相殺してくれます。そのため、いくら株価が下がっても両ポジションを保有している限り損益額は変わりません。(※手数料や金利などは除く)
このリスクヘッジの欠点は、空売りをした途端に株価が上昇してしまうと、本来得られるはずだった現物買いの値上がり益が「売り」の損失で相殺されてしまう点です。
またもう一つの注意点として、すべての銘柄で空売りが出来るわけではないので、注意しましょう。
インバース型ETFを購入する
ETFは日経平均株価やTOPIXの指数に連動するように運用されている投資信託の一種です。インバース型の「インバース」は「逆」という意味ですので、日経平均株価などの指標とは逆(マイナス)の値動きを目指すものになります。つまり、日経平均株価が下落すれば、価格が上昇することを目指しています。
インバース型ETFでメジャーなのが、『日経平均ダブルインバース・インデックスETF(1357)』です。日経平均ダブルインバース・インデックスETFは、日経平均のマイナス2倍の値動きをします。マイナス2倍なので、保有している全銘柄分の金額の半分の額を購入すればリスクヘッジが出来ることになります。
リスクヘッジの考え方としては、上記で解説した買いと売りを組み合わせる手法と同じです。日経平均が暴落するような局面で、保有している銘柄分の損失を、インバース型ETFの利益で相殺しようとするものです。
ただし個別銘柄と日経平均株価が、必ずしも同じ動きをするとは限らないので注意が必要です。保有している銘柄は下がっているのに、日経平均株価は上がってしまうようなことがあります。そうなるとインバース型ETFも下がることになるので、損失が倍増してしまうといった最悪の事態に陥ることになります。
まとめ
株式投資におけるリスクヘッジの方法を解説してきました。
株に限らず投資にリスクは付きものですので、リスクヘッジは必須だと言えます。
大切な資金を守るためにも、常にリスクヘッジを行い安全に利益を狙っていくことが大切です。
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