一目均衡表とは?5つの線と雲の使い方を解説!三役好転・三役逆転は強い売買シグナル?

一目均衡表とは?5つの線と雲の使い方を解説!三役好転・三役逆転は強い売買シグナル?

一目均衡表は、時間軸に着目して分析を行うトレンド系テクニカル指標の一つです。

ローソク足の他に、5本の線と雲を使って今後の株価の値動きを分析します。

当記事では、一目均衡表の見方や実践での使い方など、初心者にも分かりやすく解説します。

一目均衡表とは

一目均衡表

一目均衡表とは、日本人である細田悟一氏(ペンネーム:一目山人)が戦前に編み出したテクニカル分析手法です。日本のみならず世界中の投資家たちからも支持されている人気のテクニカル指標の一つです。

チャートは、ローソク足と5つの線「基準線」「転換線」「先行スパン1」「先行スパン2」「遅行スパン」から形成されます。ローソク足は基本的に日足が用いられます。

先行スパン1と先行スパン2の間を「雲」と呼びます。この雲は抵抗線や支持線になり、相場分析をするうえで重要な役割を果たします。

5つの線の解説と計算式

一目均衡表を構成する5つの線「基準線」「転換線」「先行スパン1」「先行スパン2」「遅行スパン」について解説します。

基準線

当日を含む過去26日間の最高値と最安値の平均値を結んだ線で、中期的な相場の方向性を示します。上向きが続いていれば上昇相場、下向きが続いていれば下落相場と言えます。さらに、基準線が上向きでローソク足が基準線の上側にあるとより上昇トレンドの勢いが強い相場であり、基準線が下向きでローソク足が基準線の下側にあるとより下落トレンドの勢いが強い相場であると判断できます。

計算式は以下のようになります。

基準線 = (当日を含む過去26日間の最高値 + 当日を含む過去26日間の最安値) / 2

転換線

当日を含む過去9日間の最高値と最安値の平均値を結んだ線で、短期的な相場の方向性を示します。

計算式は以下のようになります。

転換線 = (当日を含む過去9日間の最高値 + 当日を含む過去9日間の最安値) / 2

先行スパン1

基準線と転換線の平均値を、当日を含む26日先行させて表示した線です。現在の値動きが将来にわたってどのように影響を与えるかを見ることができます。

計算式は以下のようになります。

先行スパン1 = (基準値 + 転換値) / 2
※26日先行させて表示。

先行スパン2

当日を含む過去52日間の最高値と最安値の平均値を、当日を含む26日先行させて表示した線です。

計算式は以下のようになります。

先行スパン2 = (当日を含む過去52日間の最高値 + 当日を含む過去52日間の最安値) / 2
※26日先行させて表示

遅行スパン

当日の終値を当日を含む26日前に遅行させて表示した線です。

当日の終値と26日前の終値を比較できます。つまり、26日前の株価が今の株価より高いか安いかを見ることができるということになります。

一目均衡表の使い方を解説

一目均衡表を用いた基本的な相場分析法を解説します。

基準線と転換線を活用した分析法

基準線の向き、そして基準線と転換線が交わる部分に着目して分析します。

基準線が上向きの時に、転換線が基準線を下から上へ突き抜ける(ゴールデンクロス)ことを「好転」と言い、買いシグナルとなります。

反対に基準線が下向きの時に、転換線が基準線を上から下へ突き抜ける(デッドデンクロス)ことを「逆転」と言い、売りシグナルとなります。

つまり、移動平均線と同様の使い方であり、基準線が長期移動平均線、転換線が短期移動平均線の役割を担っています。

ローソク足と雲を活用した分析法

ローソク足と雲を活用した分析には、先行スパン1と先行スパン2の間の部分である「雲」とローソク足との位置関係に着目します。

この雲は相場の上値抵抗線や下値支持線としての役割を持っています。上値抵抗線(レジスタンスライン)とは株価が上昇している時にどこまで上がるかの目安となる線であり、下値支持線(サポートライン)は株価が下落している時にどこまで下がるかの目安になる線のことを言います。

ローソク足が雲よりも上側にあれば強気相場(買い圧力が強い)、下側にあれば弱気相場(売り圧力が強い)と判断できます。

また、ローソク足が雲を下から上へ突き抜けた場合は買いシグナルとなり、反対にローソク足が雲を上から下へ突き抜けた場合は売りシグナルとなります。

ここで忘れてはならないのが、雲の厚さも重要なポイントだと言うことです。雲が厚いほど反発する力が強く、ローソク足が突破するのが難しくなります。つまり、株価が上昇していても、その真上に厚い雲が覆っている場合、雲に阻まれて反発で跳ね返されてそれ以上株価が上がらない可能性が高いということになります(売りのチャンス)。反対に、株価が下落していても、その真下に厚い雲が覆っている場合、反発で跳ね返されてそれ以上株価が下がらない可能性が高いということになります(買いのチャンス)。

ただし、どんなに雲が厚くても、非常に強い買い圧力または売り圧力の場合、雲を突破することがあります。そうした場合は、より上昇相場・下落相場の勢いが増しやすくなるので、順張りでのエントリーチャンスとなります。

遅行スパンとローソク足を活用した分析法

遅行スパンとローソク足との位置関係に着目することで、売買サインを読み取ることができます。

遅行スパンがローソク足を上抜いた場合、買いシグナルとなり、反対に遅行スパンがローソク足を下抜いた場合、売りシグナルとなります。

強い売買シグナル「三役好転」「三役逆転」とは

一目均衡表で買いシグナルと判断される以下の局面3つ全てが揃った状態は「三役好転」と呼ばれ、より強い買いシグナルとなります。

1) 転換線が基準線を下から上へ突き抜けた場合
2) 遅行スパンがローソク足を下から上へ突き抜けた場合
3) ローソク足が雲を下から上へ突き抜けた場合

反対に、一目均衡表で売りシグナルと判断される以下の局面3つ全てが揃った状態は「三役逆転」と呼ばれ、より強い売りシグナルとなります。

1) 転換線が基準線を上から下へ突き抜けた場合
2) 遅行スパンがローソク足を上から下へ突き抜けた場合
3) ローソク足が雲を上から下へ突き抜けた場合

これら3つ条件全て揃うケースは決して多くはありませんが、重要な売買シグナルなのでしっかりと覚えておきましょう。

まとめ

一目均衡表の見方や基本的な実践での使い方などを解説しました。

一目均衡表は一見すると難しそうに見えますが、今回紹介したポイントさえ押さえてしまえば、初心者でも十分に活用することができます。

ただ、一目均衡表も他のテクニカル指標同様、決して万能というわけではなく、必ずしも売買サイン通りに株価が動くわけではありません。一目均衡表だけを鵜呑みにするのではなく、他のテクニカル分析やファンダメンタルズ分析も併用して総合的に判断するようにすることが大切です。

もし、予想とは反対の方向へ株価が動いてしまったら、適切に損切りをするようにしましょう。

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