先物取引と株式取引の違いを解説!
先物取引と株式取引の違いをご存じですか?
株式取引は分かるけど、先物取引って何なのか良く分からないという方も多いと思います。
今回は先物取引と株式取引の違いについて、初心者にも分かりやすいよう詳しく解説します。
そもそも先物取引とは
先物取引とは、ある商品(原資産)を、将来の決められた期日に、現時点で取り決めた価格で売買する事を約束する取引のことを言います。
つまり、現時点では売買価格や数量などの取り決めだけを行い、実際の売買はこの時点ではまだ行いませんが、将来の約束の日になったら、あらかじめ取り決めておいた価格で売買を行います。あらかじめ売買価格を決めておくことが出来るので、価格変動による影響を避けることが出来ます。
例えば、お米1kgを「1,000円」で買う約束をしていたとしましょう。
将来の約束期日になった時に、産地の天候などの影響で1kgが「1,200円」に値上がりしてしまったとします。しかし、1kgを「1,000円」で買う約束をしていたので、「1,200円 - 1,000円 = 200円」となり、市場価格よりも「200円」安く購入することが出来ます。
反対に、将来の約束期日になった時に、天候などに恵まれて豊作となり1kgが「800円」に値下がりしたとします。すると、「800円 - 1,000円 = -200円」となり、市場価格よりも「200円」高く購入しなければならなくなります。
値下がりした場合は損をしているので、一見すると意味がなかったように見えますが、取引時点ではお米の価格が上がるか下がるかは分かりません。売買価格の約束をせずに、市場価格が値上がりしてしまうと想定外の費用を支払わなければなりませんが、売買価格の約束をしておくことで、市場価格が値上がりしようが値下がりしようが一定の価格で購入できるので、当初の想定内の費用で済みます。つまり、価格変動による影響を避けるリスクヘッジの手段として有用であると言えます。
先物取引と株取引の違い
先物取引とは何か分かったところで、株式取引との具体的な違いについて見ていきましょう。
取引対象
株式取引は「企業の株式」に対して投資を行いますが、先物取引(株価指数先物取引)は取引所全体や特定の銘柄群の株価の動きを表す「株価指数」に対して投資を行います。
株価指数の代表的なものとして、「日経平均株価(日経225)」、「TOPIX(東証株価指数)」、「JPX日経インデックス400」などがあります。
取引時の受け渡し
株式取引では、取引成立時に株券や代金の受け渡しが行われます。
しかし、株価指数先物取引は、株価指数を将来の期日に一定の価格で、「買い付け」または「売り付け」を約束する取引であるため、取引時に株券や代金の受け渡しは行われません。そのため、最終的な決済は「取引時に約束した先物価格」と、「期日における決済時点での先物価格」との差額部分を受け渡して行います。このように売買によって生じた損益分のみの受け渡しを行う決済方法のことを「差金決済」と言います。
証拠金とレバレッジ
先物取引は将来の決められた期日に、取り決めた価格で確実に決済が出来るよう、証拠金を担保として差し入れる必要があります。そして、預け入れている資金に対して何倍もの取引をすることが出来るのも大きな特徴です。この仕組みを「レバレッジ」と言い、少額資金で大きな金額の取引が可能です。
例えば、元手が100万円で、レバレッジ10倍で取引を行った場合、「100万円 × 10倍」で「1,000万円」の取引を行うことが出来ます。
もしこの時1%の値上がりがあった場合、レバレッジをかけていないと「1万円」の利益になりますが、レバレッジ10倍をかけていると「10万円」の利益を得られます。
このように、高いリターンを得られるのが先物取引のメリットです。しかし、反対に値下がりしてしまった場合には、その分損失も拡大してしまうので、レバレッジのかけすぎには要注意です。
取引が可能な期間
株式取引は、株式をいつまでも保有し続けることが可能です(※信用取引除く)。
対して先物取引は、取引できる期間が決まっています。期日までの期間内であればいつでも売買が可能ですが、期限になると自動的に決済されます。
この決済月を「限月(げんげつ)」と言い、最終的な決済期日で決済する清算価格のことを「SQ」と言います。
先物取引の注意点
先物取引は少額の投資資金でも大きな利益を狙うことが出来ますが、反対に大きな損失が出てしまうリスクがあります。
中でも特に注意したいのが「追証」です。
証拠金取引である先物取引は、定められた担保(証拠金)率を維持する必要があります。損失が拡大し、定められた担保(証拠金)率を下回った場合、追加で証拠金を差し入れなければなりません。これが「追証(追加証拠金)」です。
期日までに追加証拠金を預け入れなかった場合には、全ての建玉が強制的に決済されてしまい、損失が確定します。
先物取引を行うには
先物取引を行うには、先物・オプション取引口座の開設が必要です。
先物・オプション取引口座は、「SBI証券」「楽天証券」「松井証券」などで開設できます。
口座開設は無料です。
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