成行注文とは?メリットや注意点など初心者にも分かりやすいよう解説

成行注文とは?メリットや注意点など初心者にも分かりやすいよう解説

成行注文は売買をする上での、基本の注文方法の一つですので、しっかり覚えておきましょう。

成行注文は売買をする時に、価格を指定せずに注文を出す方法です。

すぐに取引が成立するというメリットがありますが、注意しなければならない点もあります。

ここでは成行注文とはどんな注文方法なのか、その特徴を分かりやすく解説します。

成行注文とは

成行注文とは、売買をする時に、価格を指定せずに注文を出す注文方法のことを言います。

売買が成立する時の価格は、その売買が成立した相手によって決まります。

成行注文を出すと、その時に一番有利な価格で取引が成立できる相手と取引をすることになります。

つまり、成行の買い注文を出した時は、その時に一番低い価格で売り注文を出していた人と売買が成立し、成行の売り注文を出した時は、その時に一番高い価格で買い注文を出していた人と売買が成立します。

指値注文との違い

もう一つ、基本の注文方法に、指値注文という注文方法がありますが、成行注文と指値注文の違いは、注文を出す時に価格を指定するか、しないかという部分になります。

前述した通り、成行注文は売買をする時に、価格を指定せずに注文を出す注文方法です。

対して、指値注文は、売買をする時に、価格を指定して注文を出す注文方法になります。

例えば、

「100円」の買い指値注文を出した場合は、株価が「100円以下」になったら注文が発動します。株価が「101円以上」の間は発動しません。

「100円」の売り指値注文を出した場合は、株価が「100円以上」になったら注文が発動します。株価が「99円以下」の間は発動しません。

つまり、指定した株価よりも不利な条件で売買が成立することはありません。

成行注文と指値注文の違いをまとめると、

いくらでもいいからすぐに売買したい注文方法が「成行注文」

自分が狙った株価になってから売買したい注文方法が「指値注文」

ということになります。

成行注文は価格を気にせず注文を出す方法であるため、指値注文よりも優先して売買が成立します。

成行注文のメリットは?

成行注文のメリットは、売買の成立が早いという点です。

指値注文では、「○○円になったら買う」「○○円になったら売る」といった、価格の条件を指定するので、その価格になるまで売買が成立しません。場合によってはいつまで経っても売買が成立しないこともあります。

しかし、成行注文では、価格の条件を指定しない分、注文を出すとほぼ同時に売買が成立します。

そのため、株価が急変動(急騰・急落)した局面など、急いで売買しなければならない状況下で非常に有効です。

つまり、売買する株価よりも、売買が成立する早さを優先したい時に行う注文方法だと言えます。

成行注文の注意点

成行注文を行う際には、注意しなければならない点があります。

それは、「想定外の価格で売買が成立してしまう場合がある」ということです。

成行注文は、株価を指定しない注文方法なので、想定していたよりも不利な価格で売買が成立してしまうことがあります。

株価が「100円」の時に成行買い注文を出したら、「120円」で買いが成立してしまったなんてこともあるのです。

株式市場には、億単位で取引をしている投資家(トレーダー)もいます。さらに個人投資家だけでなくファンド(機関投資家)もいますので、大きな金額が一瞬にして動くことがあり、そうなると株価は一瞬にして変動することになります。

そんな時に、成行注文を出してしまうと、想定外の価格で売買が成立してしまうことがあるのです。

また、指値注文がほとんど入っていないような不人気株の売買をする場面や、寄付(前場または後場の最初の取引)や引け(前場または後場の最後の取引)の場面などでも株価は大きく変動しやすく、不利な金額で成立してしまう可能性が高いので注意が必要です。

成行注文はこんな時に有効

保有株に悪材料が出た時

保有している株の悪いニュースなど、悪材料が出た時は、株価が一気に暴落してしまいます。

こういった局面で、指値注文をしてまごまごしていると、その間に株価が急落してしまって売るに売れなくなってしまいますので、成行注文で早さ重視で売ってしまう方がいいでしょう。

株価急上昇が見込まれる株を買いたい時

株価の急上昇が見込まれる、非常に強い買い材料が出た株を購入したい場合、成行注文を行うのは一つの手です。

強い買い材料が出た株を購入する際、現在の株価より下値はもちろん、少し上値で買い指値注文をしても、買える可能性はほとんど無いと思っていいでしょう。

そんな時、成行注文であれば買い損ねることなく、確実に購入することが出来ます。

しかし、成行注文をした場合、思わぬ高値で掴んでしまうリスクがあるということを忘れてはいけません。

大事なのはとにかく損をしないことでもありますので、思わぬ高値掴みを避けるために、「この価格までだったら買ってもいい」という許容できる高めの価格で指値注文をする方が無難ではあります。

板が薄い場合は指値注文をするべき

板が薄いとは、小型株や人気のない株など、指値注文がほとんど入っていない状態のことをいいます。

この状態で成行注文をしてしまうと、割高な価格で約定してしまう可能性が高いので、非常に危険です。

例えば、以下のような板があったとしましょう。

※現在の株価1,000円

売数量 価格 買数量
100 1200
200 1100
100 1050
100 1000
980 100
965 200
950 100

板がスカスカの状態であることが分かりますね。

この時に、500株分の成行買い注文を出すとどうなるでしょうか。

現在の株価は「1,000円」なので、「1,000円 × 500株 = 50万円」で購入できると思うかもしれませんが、

上記の板の状態で購入すると、「1,000円で100株」、「1,050円で100株」、「1,100円で200株」、「1,200円で100株」で取引が成立することになってしまうのです。

つまり、

「(1,000円 × 100株) + (1,050円 × 100株) + (1,100円 × 200株) + (1,200円 × 100株) = 54万5,000円」で取引が成立します。

このように板が薄い状態で成り行き注文を行うと、割高な価格で約定してしまう可能性が高いので、指値注文をするべきだと言えます。

まとめ

成行注文の特徴やメリット、注意点などを解説しました。

早く取引を成立させたいといった場合に成行注文は有効ですが、むやみに成行注文を行うと、想定外の不利な価格で取引が成立してしまうリスクがあります。

そのため慣れないうちは、急ぐ時だけ成行注文を行い、それ以外の場合は指値で注文した方が良いでしょう。

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